ちょうこくぐ座の神話と構成する星の特徴と観測

ちょうこくぐ座の神話や星の構成について詳しく解説します。南天の小さな星座の特徴や、α星やγ星などの主要な星々の性質、観測方法まで網羅的にご紹介。この星座にはどんな秘密があるのでしょうか?

ちょうこくぐ座の神話と構成する星

この記事で分かること
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神話の真実

18世紀に作られた新しい星座のため、古代ギリシア神話は存在しません

星の構成

4等星のα星を筆頭に、5等星以下の暗い星々で構成される目立たない星座

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観測ポイント

南半球または日本の南部から観測可能で、はと座とエリダヌス座の間に位置

ちょうこくぐ座に神話が存在しない理由

 

ちょうこくぐ座は、1756年にフランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカイユによって設定された比較的新しい星座です。そのため、古代ギリシア神話や伝説は一切伝わっていません。ラカイユは南天の観測を行った際に、14個の新しい星座を設定しましたが、ちょうこくぐ座はその一つです。

 

当初、この星座は「Les Burins(ル・ビュラン)」というフランス語名で、ラテン語では「Caelum Sculptoris(カエルム・スクルプトーリス)」と呼ばれ、「金属彫刻用のみ座」を意味していました。現在は単に「Caelum(カエルム)」と呼ばれ、版画や彫刻に使われる鑿(のみ)やビュラン、ドライポイント用ニードルがリボンで結ばれた姿として描かれています。

 

ラカイユは他にも「がか座」「とけい座」「レチクル座」など、科学道具や芸術をモチーフにした星座を多数作っており、18世紀の啓蒙時代における科学と芸術の発展を夜空に刻み込もうとした意図が感じられます。神話は存在しませんが、科学の発展という新しい「物語」が、この星座には込められているのです。

 

ちょうこくぐ座を構成する主要な星の特徴

ちょうこくぐ座は88星座の中で81位の面積(約125平方度)を持つ小さな星座で、8番目に狭い星座とされています。最も明るい星はα(アルファ)星で、わずか4.4等級の明るさしかありません。その他は3つの5等星と、6等星以下の暗い星々から構成されているため、肉眼での観測は非常に困難です。

 

α星は地球から約65光年の距離にある二重星(連星)で、主星Aは黄白色の主系列星です。この星はたて座δ型変光星であると推定され、わずかながら明るさが変化します。伴星Bは赤色矮星で、くじら座UV型変光星に分類され、光度がランダムに変化する特性を持っています。主星と伴星は地球から見て8.6秒離れており、軌道長半径は約206天文単位と推定されます。

 

興味深いことに、α星はおおぐま座運動星団に属していると考えられています。銀河系の中心から平均距離約8,006パーセクの位置を、軌道離心率0.07という比較的円軌道で公転しており、銀河面から0.05キロパーセク以内というほぼ銀河平面上を移動しています。この星の宇宙速度はU=10、V=6、W=-10 km/sです。

 

ちょうこくぐ座γ星の二重星としての魅力

ちょうこくぐ座γ(ガンマ)星は、この星座の中で2番目に明るい恒星です。肉眼では単一の星のように見えますが、双眼鏡で観測すると、γ1星とγ2星という2つの星に分離して見ることができます。これは見かけ上の二重星ではなく、実際に物理的に結びついた連星系であると考えられています。

 

γ1星は橙色の主星と、それよりだいぶ暗い伴星から成る二重星で、この2つの星も連星であると考えられています。このように、γ星系は複雑な多重星系を形成している可能性があり、小口径の望遠鏡でも観測できる天体として、アマチュア天文家にとって興味深い対象となっています。

 

ちょうこくぐ座の星々は全体的に暗いため、双眼鏡や望遠鏡を使った観測が推奨されます。特にγ星のような二重星は、倍率を上げて観測することで、より美しい姿を楽しむことができます。はくちょう座のアルビレオやアンドロメダ座のアルマクのような有名な二重星ほどの華やかさはありませんが、南天の星座ならではの静かな美しさを持っています。

 

ちょうこくぐ座の観測方法と見つけ方

ちょうこくぐ座は南天の星座のため、日本では北海道南部以南からしか全体を観測することができません。南中高度は約16~17度と非常に低く、地平線ギリギリに見える星座です。観測に最適な時期は1月下旬頃で、20時に南中します。

 

星座を探すには、まずオリオン座の1等星リゲルを目印にします。リゲルの南にあるうさぎ座を確認し、さらにその南にあるはと座を見つけます。はと座のα星とβ星、そしてエリダヌス座の中流付近で輝くυ3星、υ4星に囲まれたエリアに、ちょうこくぐ座は位置しています。

 

実際には、りゅうこつ座の1等星カノープスが見える環境であれば、カノープスから北へ視線を移し、エリダヌス座の手前にある二等辺三角形の星の並びを探すとよいでしょう。ただし、4等星と5等星以下の暗い星で構成されているため、空が暗く澄んだ場所での観測が必須です。満天の星空では逆に星が多すぎて見分けがつきにくくなる場合もあります。

 

星座の形は平仮名の「く」の字のように見え、星図では交差した2本のノミとして描かれます。南半球のオーストラリアやニュージーランドであれば、より高い位置で観測できるため、格段に見つけやすくなります。日本国内では沖縄や九州南部など、南に開けた場所で観測することをお勧めします。

 

ちょうこくぐ座と隣接する星座の関係性

ちょうこくぐ座の周辺には、様々な特徴を持つ星座が隣接しています。北側にはうさぎ座とはと座があり、特にはと座は旧約聖書のノアの方舟の物語に登場する鳩を表した星座として知られています。西側には全天で最も長い星座の一つであるエリダヌス座が、大河のように夜空を蛇行しています。

 

南側には、とけい座、かじき座、がか座が位置しています。特に「がか座(画架座)」は、ちょうこくぐ座と同じくラカイユによって作られた星座で、画家のイーゼル(画架)を表しています。2つの星座が隣接して配置されているのは、彫刻家のアトリエと画家のアトリエという、芸術をテーマにした一連の星座群としてラカイユが構想した証拠です。

 

ちょうこくぐ座の面積は125平方度と小さいですが、隣接するエリダヌス座は1,138平方度と非常に広大で、全天で6番目に大きな星座です。このコントラストも興味深く、巨大な川の畔に小さな工房があるような配置になっています。星座の明るさも対照的で、エリダヌス座には0.5等星のアケルナルという輝星がありますが、ちょうこくぐ座には4等星以下の星しかありません。

 

このような隣接する星座との位置関係を理解することで、ちょうこくぐ座を探す際の目印として活用できます。特にはと座の3等星α星、β星とエリダヌス座のυ3星、υ4星で形成される領域内を注意深く観察することが、発見への近道となります。

 

ちょうこくぐ座の詳細な基礎情報と見つけ方 - ステラルーム
ちょうこくぐ座の由来と歴史的背景 - Wikipedia
ちょうこくぐ座の星座絵と神話について - 天体写真の世界

 

 


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