デネボラ色と春の大三角形を作る白色巨星の特徴

しし座の尻尾に輝くデネボラは白色の輝きを放つ美しい星です。表面温度8500Kで放つ光の色には、恒星の性質を知る秘密が隠されています。デネボラの色と特徴について、詳しく知りたくありませんか?

デネボラの色と特徴

デネボラの基本情報
白色の主系列星

表面温度8500Kで白く輝く、しし座β星

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春の大三角を形成

スピカ、アルクトゥルスと共に春の夜空に三角形を描く

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地球から36光年

視等級2.1等、肉眼で観測しやすい明るさ

デネボラの色は白色、表面温度との深い関係

 

デネボラは表面温度約8500Kで輝く白色の主系列星です。恒星の色は表面温度と密接な関係があり、温度が高くなるにつれて赤、黄色、白、青白と変化していきます。表面温度3000度くらいの星は赤っぽく、6000度では黄色、2万度を超えると青白くなるため、8500Kのデネボラは白色に分類されます。

 

参考)デネボラ - Wikipedia

スペクトル分類ではA型に属し、A型星は表面温度7500Kから10000Kの範囲で白色を示す特徴があります。色指数(B-V)は+0.09という値で、これは白色の星を示す指標となっています。デネボラの白い輝きは、しし座のライオンの尻尾の部分で際立って見えるため、春の夜空で容易に見つけることができます。

 

参考)デネボラはどんな植物? わかりやすく解説 Weblio辞書

実視等級2.14等の白黄色の光を放つという記述もあり、純白というよりはやや黄色味を帯びた白色として観測される場合もあります。この微妙な色の違いは、観測条件や個人の色覚によって感じ方が異なることがあります。

 

参考)12星座のおはなし×12星座の刺しゅう|暦生活

デネボラの光度と絶対等級から見る明るさ

デネボラの光度は太陽の約15倍で、絶対等級は2等前後と推定されています。地球から見た視等級は2.1等で、しし座では2番目に明るい星として知られています。ただし、アルギエバという連星系の合計の明るさを考慮すると、単独星としては2番目、総合的には3番目の明るさとなります。

夜空全体では60番目に明るい星に位置づけられ、日本全国で肉眼観測が可能です。デネボラまでの距離は約36光年で、比較的近い恒星の一つです。この距離と明るさの関係から、デネボラは私たちの太陽系の近隣にある中規模の恒星であることが分かります。

 

参考)https://starwalk.space/ja/news/leo-constellation-guide

A型主系列星の特性として、質量は太陽の1.4倍から2.1倍程度で、半径も太陽より大きくなっています。デネボラは白色巨星とも分類され、主系列星の段階にありながら、太陽より大きく明るい恒星です。

 

参考)A型主系列星とは - わかりやすく解説 Weblio辞書

デネボラと春の大三角形の位置関係

デネボラは春の大三角形を構成する重要な星の一つです。この三角形は、しし座のデネボラ、うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座スピカの3つの星を結んで形成されます。春の夜空を観測する際の重要な目印となり、これらの星を見つけることで春の星座全体を把握しやすくなります。

 

参考)星座獅子座(しし座)の神話とは?獅子座の人の性格や星座の探し…

春の大三角形を見つけるには、まず北斗七星から春の大曲線を辿る方法が効果的です。北斗七星の柄のカーブを延長していくと、オレンジ色に輝くアルクトゥルスに到達し、さらに延ばすと青白いスピカに至ります。この大曲線のカーブを円と見立てた中心あたりに、デネボラが位置しています。

 

参考)JOVV-76.8 FM OKAYAMA|ソラジオトーク f…

デネボラはアラビア語で「獅子の尾」を意味し、しし座のライオンの尻尾の部分に輝いています。一方、しし座の心臓部には1等星のレグルスがあり、この2つの明るい星がしし座の形を把握する上で重要な目印となります。

 

参考)星空TOPICS☆2025年6月 地上から見る人工衛星としし…

デネボラのスペクトル型と変光星としての性質

デネボラはA型主系列星に分類され、スペクトル中に強い水素のバルマー系列の吸収線が特徴的です。A型星は主系列星全体の約0.5%という希少な存在で、アルタイル、シリウスA、ベガなどの著名な星がこの型に含まれます。

興味深いことに、デネボラはたて座δ型変光星でもあります。変光範囲は百分の数等とごくわずかなため、肉眼での観測では変光を確認することは困難です。数時間単位で明るさが微妙に変化する性質を持ち、この変動は恒星内部の脈動によって引き起こされています。

 

参考)デネボラ(でねぼら)とは? 意味や使い方 - コトバンク

A型主系列星は対流層を持たないため、恒星磁場を持っていないと予想されます。その結果として、強い恒星風を駆動することができず、強いX線を放射する機構を持ちません。表面温度が約8700Kで、赤道半径は太陽の約2倍、質量は2.5倍程度と推定されています。

デネボラの色が持つ占星術的な意味

占星術の世界では、デネボラは特別な意味を持つ星とされています。しし座のライオンの尻尾に位置するこの星は、「不服従」「調和していないこと」「主流から外れていること」を象徴すると考えられています。

 

参考)Denebola(デネボラ) |あかね弥生/潜在意識セラピス…

デネボラは型にはまらない性質を表し、アウトサイダーとして世間のメインストリームから離れたところから物事を見る視点を示すとされます。独特な要素があり、世界を異なった視点で捉え、異なった考え方を持っている人々に関連付けられることがあります。

9月20日の誕生星としても知られ、アラビア語で「獅子の尾」という意味を持つこの星は、春の大三角を形成する重要な位置にあります。しし座は黄道十二星座の一つであり、占星術では7月23日から8月22日頃生まれの人々を象徴する星座として知られています。

 

参考)https://ameblo.jp/kaoriavenue/entry-12762113723.html

デネボラの白色の輝きは、純粋さや明晰さを表す色として解釈されることもあり、独立心と明確な視点を持つ性質と結びつけられています。春の夜空で堂々と輝くこの星は、個性を大切にし、自分の道を歩む人々を象徴する星として、占星術愛好家に注目されています。

 

デネボラの観測に最適な時期と見つけ方

デネボラの観測に最適な時期は3月から5月で、特に4月には夜空で最も高い位置に昇るため理想的な条件となります。春の星座であるしし座は、北半球・南半球のどちらからでも観測可能で、緯度+90°〜-65°の地域でよく見えます。

デネボラを見つける最も簡単な方法は、まず北斗七星を探すことから始めます。北斗七星の柄のカーブに沿って線を延ばしていくと、オレンジ色に輝くうしかい座のアルクトゥルスに到達します。この曲線はよく「春の大曲線」と呼ばれ、春の星座観察の基本となる目印です。

アルクトゥルスからさらに曲線を延長すると、青白く輝くおとめ座のスピカに到達します。このアルクトゥルスとスピカを見つけることができたら、正三角形になる位置に2等星のデネボラを探してみましょう。デネボラは白色の輝きを持ち、しし座のしっぽの部分に位置しています。

 

参考)https://ryutao.main.jp/mythology_45.html

しし座の形を把握するには、1等星レグルスを起点とした6つの星が「?」を裏返しにしたような形に並ぶ頭部を見つけ、そこから尾の部分となるデネボラへと視線を移すと分かりやすいでしょう。レグルスは純白の1等星として目立ち、デネボラは2等星の白い星として優しい雰囲気を出しています。

 

参考)【コラム】春の星空

春のダイヤモンドという星の配置も覚えておくと便利です。春の大三角のデネボラ、アルクトゥルス、スピカに、りょうけん座コルカロリという星を加えると、大きなひし形を作ることができ、これが春のダイヤモンドと呼ばれています。

 

参考)さんいん きらめく星 春春のダイヤモンド 四つの星座を見つけ…

ビクセン 宇宙への扉 - しし座と春の大三角形の詳しい観測情報
春の星座観測の基本情報と、デネボラを含む春の大三角形の見つけ方について詳しく解説されています。

 

1等星から2等星まで明るい順に93個並べた一覧
デネボラの明るさや色に関する詳細なデータと、他の恒星との比較情報が掲載されています。

 

 


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