かんむり座は、うしかい座の1等星アークトゥルスとヘルクレス座の間に位置する小さな星座です。夏の夜空に見頃を迎え、20時南中は7月中旬頃となります。具体的には4月下旬の午前3時頃から7月下旬の午後9時頃にかけて天頂付近で観測できます。
参考)https://seiza.imagestyle.biz/sinwa/kanmuri.shtml
この星座は紀元前3200年頃には既に認識されていたとされ、トレミー48星座の1つに数えられる歴史ある星座です。面積は178平方度で全天88星座中73位と小さいながら、半円形の特徴的な形状から見つけやすい星座として知られています。
参考)かんむり座とは?見つけ方や見どころ
⭐ 見つけ方のコツ
かんむり座は7つの主要な星で構成されており、その中心に輝くのがα星ゲンマです。ゲンマという名称はラテン語で「真珠」や「宝石」を意味し、唯一の2等星として冠の中央を飾ります。実視等級は2.24等、絶対等級は0.43等、地球からの距離は75.0光年、スペクトル型はA0型の白色星です。
参考)星座八十八夜 #5 宝石のように輝く美しい星座「かんむり座」…
別名としてアルフェッカとも呼ばれており、これは古代アラビア語で「かけたものの明星」を意味します。この名称は星座の半円形の形状から名付けられたと考えられています。古代バビロニアでは「欠けたお皿」という意味でこの星を呼んでいました。
参考)https://turupura.com/guide/star/genma.html
📊 かんむり座の主要な星
| 星名 | バイヤー符号 | 等級 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ゲンマ(アルフェッカ) | α星 | 2.24等 | 冠の中心に輝く真珠のような白色星 |
| ヌカサン | β星 | 3.66等 | アラビア語で「二列」を意味する |
ゲンマの詳細情報とスペクトル分析(つるちゃんのプラネタリウム)
かんむり座には他にも変光星として注目される星があり、R星は普段6等級で輝いていますが前触れなく突然7〜15等級まで暗くなる特異な性質を持ちます。
かんむり座の神話は、ギリシア神話の酒神ディオニュソス(バッカス)とクレタ島の王女アリアドネの愛の物語です。物語の発端は、クレタ島のミノス王の宮殿地下迷宮に閉じ込められた怪物ミノタウロスにあります。
参考)かんむり座
ミノタウロスは牛の頭と人間の体を持つ怪物で、クレタ国に戦争で敗れたアテネ国は毎年7人の少年少女をこの怪物への生贄として差し出さなければなりませんでした。アテネの王子テセウスはこの理不尽な状況を打破すべく、自ら生贄の一人として名乗りを上げます。
参考)http://www.bao.city.ibara.okayama.jp/stardb/sky/data/sky0130.html
💝 物語のポイント
テセウスに置き去りにされたアリアドネは絶望し、クレタにも戻れず孤島で泣き続けていました。その時、美しい音楽とともに森の鳥や獣を従えて現れたのが酒神ディオニュソスです。
ディオニュソスは悲しむアリアドネをやさしく慰め、7つの宝石で飾られた美しい冠を贈り、結婚を申し込みました。二人はその後幸せに暮らしましたが、アリアドネの死後、ディオニュソスはこの冠を天に上げて星座にしたと伝えられています。この冠がかんむり座として現在も夜空に輝いているのです。
興味深いことに、この神話には複数のバージョンが存在します。ミノタウロスへの生贄について、9年間の間に12人の青年と娘が送られたという説もあります。また、アリアドネが入ったとされる牛の模型は、迷宮を設計した名工ダイダロスが作ったとも言われており、ミノス王の宮殿は世界の七不思議の一つに数えられています。
かんむり座は小さいながらも独特の魅力を持つ星座で、日本でも古くから親しまれてきました。日本では「太鼓星」「車星」「馬のひづめ」「クドボシ」「オクドサン」「ヒヅメホシ」「ウマノツメアト」など、地域によって様々な呼び名があります。
参考)かんむり座|星や月|大日本図書
かんむり座には観測価値の高い変光星が2つあります。R星は炭素が豊富で、時々炭素の塵を噴出して星の光を遮るため、前触れなく暗くなる特異な星です。一方、T星は白色矮星と赤色巨星からなる連星系で、水素ガスが白色矮星に流れ込み核融合反応を起こすことで突然2〜3等級の明るさになります。
参考)かんむり座T星について href="https://www.ananscience.jp/variablestar/?page_id=758" target="_blank">https://www.ananscience.jp/variablestar/?page_id=758amp;#8211; 日本変光星研究会
🔭 観測のおすすめポイント
かんむり座の観測情報と変光星の詳細(大日本図書)
かんむり座は北半球で観測しやすく、南極圏からはほとんど見ることができません。領域の南端でも北緯+25.54度と北の方に位置しているため、北半球の観測者にとっては初夏から盛夏にかけて絶好の観測対象となります。

iPhone16 ヘルクレス座 かんむり座 車星 星座 天体図 3827 スマホケース 手帳型 全機種対応 カップル かわいい 絵画 名画 人気 個性的 スマホカバー 携帯ケース