渦巻銀河は宇宙に存在する最も美しい天体の一つで、その構造は主に3つの成分から構成されています。中心部には「バルジ」と呼ばれる膨らんだ領域があり、ここには古い種族IIの星が多く集まり、ほとんどの場合、大質量ブラックホールが存在しています。バルジの周囲を取り囲むのが扁平な「ディスク」で、この円盤状の構造は回転しながら、若い星や星間物質を含んでいます。
参考)渦巻銀河 - Wikipedia
ディスク内には「渦状腕」と呼ばれる螺旋構造が見られ、この腕に沿って「ダーク・レーン」という暗い筋状の構造やHII領域などの星形成が盛んな領域が観察できます。渦状腕はバルジから外側に向かって螺旋を描くように伸びており、これが渦巻銀河という名前の由来となっています。さらに、銀河全体は「銀河ハロー」と呼ばれる大きな楕円体に取り囲まれており、ここには球状星団や暗黒物質(ダークマター)が広く分布しています。
参考)渦巻銀河
画像で渦巻銀河を観察する際、これらの構造を意識することで、より深く宇宙の姿を理解できます。特に赤外線で観測すると、可視光では見えないダストや星形成領域が鮮明に映し出され、銀河の本当の姿が明らかになります。
参考)NASAがジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた19の銀河の…
渦巻銀河には多くの種類があり、その中でも最も有名なのが「アンドロメダ銀河(M31)」です。アンドロメダ座に位置するこの銀河は、地球から約250万光年の距離にあり、肉眼でも観測可能な数少ない系外銀河の一つです。推定恒星数は1兆個を超え、直径は天の川銀河のおよそ2倍と見積もられています。M31は当初、天の川銀河に似た渦巻銀河と考えられていましたが、観測が進むにつれて中心核を2つ持つことが判明し、実際には棒渦巻銀河であることが赤外線観測で示唆されています。
参考)銀河(主な銀河一覧)|やさしい88星座図鑑
もう一つの代表的な渦巻銀河が「M51子持ち銀河」で、りょうけん座に位置しています。この銀河は約3,100万光年離れたところにあり、渦巻の腕が小さな伴銀河NGC 5195につながっている様子が、親子が手をつないでいるように見えることから「子持ち銀河」と呼ばれています。M51は明るい星形成領域と伴銀河との重力相互作用で知られており、ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡による観測では前例のない詳細な構造が撮影されています。
参考)http://www.nishiwaki-cs.or.jp/terra/gallery/galaxy.html
その他にも、さんかく座銀河(M33)、ひまわり銀河(M63)、ボーデの銀河(M81)など、多くの美しい渦巻銀河が夜空に存在しています。それぞれの銀河は独自の特徴を持ち、画像を通してその多様性を楽しむことができます。
参考)系外銀河の撮影ってどうやってするの?解説してみた 夜空の観測…
ハッブル宇宙望遠鏡は、1990年の打ち上げ以来、数多くの美しい渦巻銀河の画像を地球に届けてきました。この宇宙望遠鏡は主に紫外線から可視光、近赤外線の波長で観測を行い、銀河の形態や色彩を鮮明に捉えることができます。ハッブルが撮影した渦巻銀河の画像では、若い青い星々が密集する渦状腕や、黄色っぽく見える古い星々が集まる中心部のバルジが美しいコントラストを描き出しています。
参考)ウェッブ/ハッブル望遠鏡がとらえたフェイスオン渦巻銀河「NG…
例えば、渦巻銀河NGC 628の画像では、ハッブル望遠鏡の観測により中心部の古い星々が黄色っぽく見え、個々の星は明確には映っていない特徴が捉えられています。また、渦巻銀河IC 5332の画像では、可視光での観測により銀河の基本的な構造が明らかになっていますが、ダストによって一部の領域が隠されている様子も確認できます。
参考)同じ銀河なのに? ハッブルとウェッブの画像が異なって見える理…
ハッブル宇宙望遠鏡の最大の貢献は、遠方銀河の形態を高解像度で観測し、宇宙の歴史における銀河進化の理解を深めたことです。深宇宙観測により、約20億年前には多くの大質量銀河が非常にコンパクトであったことが発見され、銀河が内側から外側に向かって成長する「インサイドアウト形成」のモデルが支持されるようになりました。ハッブルが捉えた渦巻銀河の画像は、今もなお天文学研究の基礎データとして活用されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10803264/
2022年に本格運用が始まったジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡の約100倍の感度を持ち、主に近赤外線から中赤外線の波長で観測を行います。この赤外線観測能力により、可視光では見えなかった銀河のダストや星形成領域の詳細な構造を捉えることが可能になりました。銀河を構成するダストは紫外線や可視光を吸収して赤外線として再放出するため、ウェッブ望遠鏡の画像では赤外線で輝くダストの分布を鮮明に観察できます。
参考)ジェームズ・ウェッブ望遠鏡、2700万光年先の渦巻銀河の詳細…
例えば、渦巻銀河NGC 628をウェッブ望遠鏡で観測した画像では、古い星が詰まった中心部が青く輝き、オウムガイの殻の断面に似た螺旋状のフィラメント構造を持つ渦巻が克明に映し出されています。また、「バブル」と呼ばれる大きな楕円形の構造も観察でき、星形成の過程を詳細に研究することができます。2024年1月にNASAが公開した19の渦巻銀河の画像では、従来の可視光線での観測では捉えることができなかった星の誕生の過程や神秘的な銀河の構造が収められています。
さらに注目すべきは、ウェッブ望遠鏡が遠方宇宙の観測で達成した成果です。115億光年彼方という遠方の宇宙にある爆発的星形成銀河ADF22.A1について、星と塵の連続光だけでなく、ガスの運動状態を高い解像力で明らかにし、この銀河が回転している巨大な渦巻銀河であることが確認されました。ウェッブ望遠鏡とアルマ望遠鏡の組み合わせにより、初期宇宙における銀河形成の謎に迫る研究が進んでいます。
参考)115億光年かなたにhref="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20250328-13676.html" target="_blank">https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20250328-13676.htmlquot;巨大渦巻href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20250328-13676.html" target="_blank">https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20250328-13676.htmlquot;を発見href="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20250328-13676.html" target="_blank">https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20250328-13676.htmllt;brhref="https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20250328-13676.html" target="_blank">https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20250328-13676.htmlgt;~世界最先端の…
渦巻銀河の画像を自分で撮影することは、適切な機材と技術があれば十分に可能です。系外銀河の撮影には、屈折式よりも大口径で集光力が大きな反射式の望遠鏡がよく使用されます。反射式望遠鏡は大きくニュートン式とカセグレン式に分かれますが、最近はカセグレン式のユーザーが増えています。撮影方法としては、望遠鏡を巨大な望遠レンズの代わりとして使い、望遠鏡にカメラを直接取り付ける「直焦点撮影」が一般的です。
参考)https://ryutao.main.jp/tips_howto38.html
初心者には、まずおおぐま座のM81銀河など明るいメシエ天体から撮影を始めることがお勧めです。M81(ボーデの銀河)とM82(葉巻銀河)は非常に明るい銀河で、望遠鏡を使うと簡単に観測でき、写真撮影も比較的容易ですが、奥が深い天体としても知られています。アンドロメダ銀河M31は肉眼でも見ることができ、双眼鏡では長い楕円形のはっきりした光芒として映りますが、大口径の望遠鏡でも中心部分の明るいところしか見えず、口径20cmの望遠鏡でようやく渦巻き構造が見え始めます。
参考)アンドロメダ銀河 - Wikipedia
撮影時の重要なポイントは、赤道儀による追尾精度です。星は地球の自転により動いて見えるため、長時間露光する際には赤道儀で追尾する必要があります。さらに精度を高めるため、小さいレンズとカメラを望遠鏡と同じ向きに設置し、実際の星の動きを監視しながら赤道儀に細かい補正の指示を与える「オートガイドシステム」を使うと、より鮮明な画像が得られます。条件の良い場所で適切な機材を使えば、宇宙望遠鏡とまではいかないものの、渦巻銀河の美しい構造を捉えた画像を撮影することができます。
参考)やっぱり美しい渦巻銀河NGC 300
系外銀河撮影の詳細な技術とカメラ設定について解説されており、初心者向けの具体的ないて解説されており、初心者向けの具体的な撮影ステップが参考になります

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