サロス悪魔の特徴と能力・ソロモン72柱・召喚・登場する物語

ソロモン72柱の序列19番サロスは、ワニに乗った穏和な兵士の姿で男女の恋愛を成就させる公爵です。その特徴や能力、召喚方法、登場する物語をご存知ですか?

サロス悪魔の特徴と能力・登場する物語

サロスの主要な特徴
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序列19番の公爵

ソロモン72柱の中で30の軍団を率いる偉大にして強力な公爵。穏和な性格が特徴。

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ワニに乗った兵士

公爵の宝冠をかぶり、ワニに乗った雄々しい兵士の姿で現れるが、振る舞いは温厚。

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恋愛成就の能力

男女間に愛情を芽生えさせる力を持ち、色恋沙汰を守備範囲とする悪魔。

サロスの基本情報とゴエティアでの記述

 

サロスは17世紀の魔術書『ゴエティア』(レメゲトンの第一書)に記載された、ソロモン72柱の悪魔の一人です。別名として「サレオス(Saleos)」「ザレオス(Zaleos)」「ザエボス(Zaebos)」などの表記があり、文献によって名称が異なります。序列は19番目で、爵位は「公爵(Duke)」とされ、地獄の30の軍団を率いる偉大にして強力な存在とされています。ただし『悪魔の偽王国』では大伯爵として記載されており、文献間で階級に若干の差異があります。

 

『ゴエティア』の記述によると、サロスは公爵の宝冠をかぶり、大きなワニに乗った雄々しい兵士の姿で召喚者の前に現れます。その外見は勇壮でありながら、実際の立ち振る舞いは非常に穏和で温厚な性格として描かれています。この「見た目と性格のギャップ」が、サロスの大きな特徴の一つです。多くの悪魔が恐ろしい姿や性格を持つのに対し、サロスは召喚者に対して友好的で協力的な態度を示すとされます。

 

紀元前10世紀頃のイスラエルの王ソロモンが、神から授かった指輪の力で72体の悪魔を封印し従えたという伝説が『ゴエティア』の基盤となっています。これらの悪魔は真鍮の容器に封印され、バビロンの湖に投げ込まれたとされますが、後に人々が財宝と勘違いして容器を開けたことで解放されたと伝えられています。

 

サロスの基本的な情報と『ゴエティア』での記述内容について(Wikipedia)

サロス悪魔の特殊能力と恋愛成就の力

サロスが持つ最も著名な能力は、男女間に愛情を芽生えさせる力です。具体的には、女性の心を男性に、男性の心を女性に向けさせ、恋愛感情を好意の方向へ動かすことができるとされます。この能力により、サロスは「色恋沙汰を守備範囲とする悪魔」「恋愛成就の悪魔」として知られ、召喚者が意中の相手との恋を成就させたい場合に呼び出される存在となっています。

 

ソロモン72柱の中には、知識を授ける悪魔、財宝を見つける悪魔、未来を予知する悪魔など、様々な専門分野を持つ存在がいますが、サロスのように恋愛に特化した能力を持つ悪魔は珍しく、その点で独自の地位を確立しています。ただし悪魔の力による恋愛成就には代償が伴うという物語も多く、安易に召喚すると予期せぬ結果を招く可能性があるとされます。

 

興味深いのは、サロスの能力が「愛情を芽生えさせる」という表現であり、単なる一時的な感情ではなく、持続的な愛情を生み出す力と解釈されている点です。これは他の悪魔が持つ、人を惑わす力や欲望を煽る力とは性質が異なります。サロスの力は比較的穏やかで、相手の心に自然な形で愛情を育むとされており、この点も彼の温和な性格と一致しています。

 

ソロモン72柱の悪魔は、それぞれ固有の印章(シジル)を持っており、召喚の際にはこの印章が必要とされます。サロスの印章も『ゴエティア』に記録されており、複雑な幾何学模様で構成されています。この印章を正しく描き、適切な儀式を行うことで、サロスを召喚し、その能力を借りることができるとされていました。

 

サロスが登場するゲーム・漫画作品

サロスを含むソロモン72柱の悪魔は、現代のポップカルチャー、特に日本のゲームや漫画、ライトノベルにおいて頻繁に登場するモチーフとなっています。「真・女神転生」シリーズや「ペルソナ」シリーズなど、悪魔召喚をテーマとしたRPGでは、ソロモン72柱の悪魔が仲魔やペルソナとして登場することが多くあります。これらの作品では、それぞれの悪魔が固有の能力やスキルを持ち、プレイヤーは戦略的に悪魔を選択・育成していきます。

 

児童文学作品『黒魔女さんが通る』シリーズでは、サロスのシジル(印章)が物語の重要な要素として登場します。作中では「王宮のあかずの部屋の扉にサロスのシジルがついている」という設定があり、サロスが物語世界における重要な存在であることが示唆されています。このように、児童向け作品においても、サロスを含むソロモン72柱の悪魔は魔術や異世界の要素として取り入れられています。

 

2025年に発表された新作ゲーム『SAROS』は、タイトルにサロスの名を冠したローグライクTPSとして注目を集めています。ただしこの作品が直接的にソロモン72柱のサロスをモチーフとしているかは公式には明言されていませんが、悪魔の名前を使用したタイトルとして興味深い事例です。また、創作シナリオのプラットフォームでは、サロスの恋愛成就能力を題材にした様々な物語が創作されており、「悪魔に恋の成就を願った人間が予期せぬ代償を払う」といったダークファンタジー要素を含むストーリーが人気を集めています。

 

このように、サロスは現代のエンターテインメント作品において、恋愛要素や魔術要素を演出する際の重要なモチーフとして機能しています。その穏和な性格と恋愛成就という親しみやすい能力が、様々な創作物に取り入れやすい要素となっているのです。

 

サロス召喚の印章と魔術的意義

ソロモン72柱の悪魔を召喚する際には、それぞれの悪魔固有の印章(シジル)が必要不可欠とされています。シジルとは、悪魔の名称や力を象徴する幾何学的な紋様であり、召喚儀式において悪魔を特定し、その力を制御するための鍵となる重要な魔術的道具です。サロスのシジルも『ゴエティア』に記録されており、複雑な線と記号で構成された独特のデザインを持っています。

 

魔術の実践においては、このシジルを羊皮紙や金属板に正確に描き、特定の時刻や月齢、占星術的条件が整った時に儀式を行うことが推奨されていました。『ゴエティア』などの魔術書には、召喚の際の詳細な手順、必要な道具、唱えるべき呪文、魔法陣の描き方などが記載されており、これらを正確に実行することで悪魔を安全に召喚し、その能力を借りることができるとされていました。

 

現代においても、サロスを含むソロモン72柱のシジルは、オカルトやエソテリック(秘教的)な文化の中で重要な位置を占めています。魔術的実践を行う人々だけでなく、そのデザイン性の高さから、ゴシックファッションやオカルトアートの分野でも人気があり、アクセサリーやインテリアのモチーフとして使用されることがあります。シジルを描いたブリキプレートやタペストリーなどのグッズも販売されており、神秘的な雰囲気を演出するアイテムとして愛好されています。

 

興味深いのは、シジルが単なる召喚の道具としてだけでなく、知識・富・力・秘密・変容といった異界の力を象徴するものとしても捉えられている点です。サロスのシジルは「恋愛」や「愛情」という彼の専門分野を象徴する印として、魔術的な意味だけでなく、象徴的・哲学的な意味も持つものとして解釈されています。

 

サロスと他のソロモン72柱悪魔との比較

ソロモン72柱には、それぞれ異なる能力と性格を持つ多様な悪魔が含まれています。サロスの特徴をより深く理解するには、他の悪魔と比較することが有効です。例えば、序列1位のバアルは戦争と天候を司る強大な王であり、序列9位のパイモンは芸術と科学の知識を授ける知恵の悪魔です。これらと比較すると、サロスの「恋愛成就」という能力は、より人間的で身近なテーマを扱っていることがわかります。

 

特に興味深い対比として、序列63位のアンドラスという悪魔が挙げられます。アンドラスは「不和の侯爵」と呼ばれ、世界中に不和の種を撒き散らし、人々を争わせる能力を持つとされています。サロスが人々を結びつけ愛情を育む一方で、アンドラスは人々を引き離し憎しみを生み出すという、正反対の性質を持っているのです。このような対照的な悪魔が同じソロモン72柱に含まれていることは、72柱全体が宇宙の様々な力を網羅的に表現していることを示しています。

 

また、サロスと似た性質を持つ悪魔として、序列12位のシトリーがいます。シトリーは美しい姿で現れ、男女間に愛を生み出す力を持つとされていますが、サロスと異なり、シトリーは単なる肉体的欲望を煽る傾向があるとされます。対してサロスは、より真摯で持続的な愛情を育む力を持つとされており、この違いは魔術師がどちらの悪魔を召喚するかを選ぶ際の重要な判断基準となっていました。

 

さらにサロスの「穏和な性格」という特徴は、72柱の中でも特筆すべきものです。多くの悪魔は召喚者に対して敵対的であったり、試練を与えたりする存在として描かれますが、サロスは協力的で友好的な態度を示すとされます。この性質は、序列46位のビフロンスなど、一部の知識を授ける悪魔に見られる特徴ですが、72柱全体の中では少数派です。サロスのこの温和な性格が、召喚者にとって扱いやすい悪魔として人気を集める要因となっています。

 

現代におけるサロス信仰と文化的影響

現代社会において、サロスを含むソロモン72柱の悪魔は、宗教的な信仰対象というよりも、文化的・エンターテインメント的なモチーフとして広く受容されています。特に日本のサブカルチャーにおいては、悪魔や天使といった超自然的存在が、アニメ、ゲーム、漫画、ライトノベルの題材として頻繁に使用されており、サロスもその一部として多くの作品に登場しています。

 

占いやスピリチュアルな分野においても、サロスの名は「恋愛運を高める象徴」として用いられることがあります。タロットカードや占星術と組み合わせた占いシステムの中に、ソロモン72柱の悪魔を取り入れたものも存在し、サロスは恋愛相談の際に言及される存在となっています。ただしこれらは伝統的な悪魔学や魔術とは異なる、現代的にアレンジされたものであることが多いです。

 

また、ゴシック文化やオカルト愛好家のコミュニティにおいては、サロスのシジルをデザインに取り入れたアクセサリーやアート作品が制作されています。これらは実際の魔術的実践というよりも、神秘的で異端的な美学を表現するためのシンボルとして機能しています。SNSやオンラインコミュニティでは、「自分に合ったソロモン72柱の悪魔を診断する」といったコンテンツも人気があり、サロスは恋愛に悩む人々にマッチする悪魔として紹介されることが多いです。

 

教育的な側面では、サロスを含むソロモン72柱は、西洋魔術史や中世の悪魔学を学ぶ際の重要な教材となっています。『ゴエティア』やその他のグリモワール(魔術書)は、当時の人々の世界観や信仰、恐れを理解するための貴重な歴史資料としても価値があります。現代の研究者たちは、これらの魔術書が単なる迷信ではなく、当時の心理学的・社会学的な知識体系を反映したものであると捉えており、サロスのような恋愛を司る悪魔の存在は、人間の普遍的な願望や悩みを象徴するものとして分析されています。

 

 


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