シトリーは『ゴエティア』において序列12位に位置するソロモン72柱の悪魔であり、地獄の偉大なる君主として60の軍団を指揮する大伯爵かつ大公爵の地位を持っています。別名として「ビトル(Bitru)」や「シュトリ(Sytry)」という呼び方も存在しており、文献によって表記が異なることがあります。
参考)シトリー - Wikipedia
本来の姿は豹の顔を持ち、背中にはグリフォンの翼を備えた獣人のような姿で現れます。『悪魔の偽王国』では「エノク書」の記述を引用し、「豹の頭を有し、グリフォンのごとき翼を備える」と詳細に描写されています。しかし、召喚者が望めば、あるいはシトリー自身の気分次第で、非常に美しく壮麗な男性や、官能的で魅惑的な女性の姿に変身することも可能だとされています。
参考)https://izfact.net/solomon/12_sytry.html
この変身能力は、シトリーが「エクソシズムの達人(the Master of the Exorcism)」、すなわち召喚術の熟練者から命令を受けた場合に発揮されるものであり、その美しさは「とても美しい」と表現されるほど際立っているとされています。このような二面性を持つ外見は、シトリーが恋愛や情欲という人間の本能的な欲望を司る悪魔であることを象徴しているとも言えるでしょう。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B7%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC
シトリーの最も特徴的な能力は、人間の恋愛感情や情欲を自在に操ることができる点です。『ゴエティア』によれば、シトリーは男性に女性への愛を燃え上がらせ、同時に女性にも男性への愛を燃え上がらせることができるとされています。これは単なる好意を超えた強烈な情熱を引き起こす力であり、召喚者が望む相手の感情を完全にコントロールすることが可能だとされています。
参考)http://gensoujiten.blog.fc2.com/blog-entry-1071.html
さらに驚くべきことに、シトリーには特定の人物を裸にする能力があり、その方法は「自ら衣服を脱ぎ棄てさせる」というものです。これは単に衣服を消失させるのではなく、対象者の意志に働きかけて自発的に服を脱がせるという、より精神的な支配を示しています。この能力について『悪魔の偽王国』では、「官能(快楽)に耽る」という意味を持つ「luxuriose」という語が形容として用いられており、肉体的な欲望との深い関連性が示唆されています。
参考)悪魔シトリーとは?
また、シトリーは女性の秘密を暴き、彼女たちを見て笑い、嘲笑うという悪魔らしい性質も持っているとされています。『ゴエティア』よりも古い文献である『悪魔の偽王国』では、この側面がより強調されており、人間の恥や弱みを利用して楽しむという残酷な一面が描かれています。恋愛系統を司る悪魔は他にもベレト、ゼパル、サレオス、アスモデウスなどがいますが、シトリーは特に情欲の側面に焦点を当てた能力を持つ点で独特の立ち位置にあります。
参考)ソロモン72柱の悪魔カタログ、パッと見で推し悪魔が見つかる!…
ソロモン72柱の悪魔を召喚する際には、一般的にグリモワール(魔術書)に記された特定の手順や印章(シジル)が必要とされます。シトリーもまた、召喚者が適切な儀式を行い、悪魔と契約を結ぶことで、その能力を借り受けることができるとされています。
召喚の際、シトリーは最初に豹の顔とグリフォンの翼を持った本来の姿で現れますが、「エクソシズムの達人」すなわち熟練した召喚術師から正式な命令を受けることで、美しい人間の姿に変身します。この変身は召喚者の安全と権威を保証するものであり、悪魔が召喚者の支配下にあることを示す重要な証とされています。
契約の内容は召喚者の望みによって異なりますが、多くの場合、恋愛成就や特定の相手の感情操作、秘密の暴露などが求められます。ただし、悪魔との契約には常に代償が伴うとされており、願いが叶った後には召喚者は何らかの対価を支払わなければならないという警告も文献には記されています。シトリーの場合、その能力の性質上、倫理的に問題のある願いが多く、結果として召喚者自身が不幸に陥ることも少なくなかったと伝えられています。
召喚に必要な印章については、各悪魔ごとに固有のデザインが存在し、これを正確に描くことが召喚成功の鍵となります。シトリーの印章も『ゴエティア』に記載されており、適切な日時、場所、呪文とともに用いることで初めて悪魔を呼び出すことができるとされています。
現代では、シトリーは様々なゲームやアニメ作品に登場するキャラクターとして広く知られています。代表的な作品の一つが『メギド72』で、このゲームではシトリーが主人公ソロモンの仲間として活躍します。『メギド72』は主人公の少年ソロモンが伝説の指輪の力で従えたメギド(悪魔)と共に世界の危機に立ち向かう物語で、シトリーはラッシュタイプのキャラクターとして登場し、「ジャスティスライト」という槍から放つ雷撃のスキルを持っています。
参考)【メギド72 初心者向けガイド】君はおもしろ勇者おねえさんと…
youtube
また、ライトノベルおよびアニメ作品『ハイスクールD×D』にも、シトリーという名前の悪魔の家系が登場します。作中では「シトリー眷属」として生徒会のメンバーから構成される悪魔のグループが描かれており、主人公たちのグレモリー眷属と対比される存在として重要な役割を果たしています。シトリー家の代表的なキャラクターには「ソーナ・シトリー」などがおり、攻撃力に特化したグレモリー眷属とは対照的に、人工神器などを活用した戦略的な戦闘スタイルが特徴とされています。
参考)シトリー眷属 - ハイスクールD×Dファンサイト@ ウィキ …
さらに『魔界王子 devils and realist』には「シトリー・カートライト」というキャラクターが登場し、『東京放課後サモナーズ』(放サモ)にもシトリーをモチーフとしたキャラクターが実装されています。これらの作品では、原典の悪魔学における設定を独自にアレンジしながらも、恋愛や魅惑といったシトリーの本質的な特徴が反映されていることが多いです。
各作品におけるシトリーの描写は異なりますが、美しい外見と人の心を操る能力という共通点は保たれており、原典の悪魔としての性質が現代のエンターテインメント作品にも確実に受け継がれていることがわかります。
ソロモン72柱は、17世紀から伝わる作者不明のグリモワール『ゴエティア』に記された72体の悪魔の総称であり、古代イスラエルの王ソロモンが封印したとされる存在です。これらの悪魔は、それぞれ固有の能力や専門分野を持ち、階級制度によって序列が定められています。
シトリーは序列12位に位置し、恋愛と情欲を司る能力を持つ悪魔として分類されますが、同様に恋愛系統を担当する悪魔は他にも存在します。例えば、第13位のベレト、第16位のゼパル、第19位のサレオスなどが挙げられます。特にサレオスは、ワニに騎乗した兵士の姿で現れ、異性への愛情を芽生えさせる能力を持つ公爵として知られています。
また、情欲や性的な欲望に関連する悪魔としては、第32位のアスモデウスが最も有名です。アスモデウスは欲望の王とも呼ばれ、より広範囲な欲望全般を司るのに対し、シトリーは特に男女の恋愛関係と肉体的な欲情に特化した能力を持つという点で差別化されています。
さらに興味深いのは、シトリーと他の悪魔との能力の組み合わせです。例えば、第71位のダンタリオンは様々な顔を持ち、最大の情報網を持つと同時に人間の感情を操作できる能力を持っています。もしシトリーの恋愛操作能力とダンタリオンの情報網・感情操作能力を組み合わせれば、理論上は世界規模での人間関係の支配も可能になるかもしれません。このように、ソロモン72柱の悪魔たちはそれぞれ独自の能力を持ちながらも、相互に関連し合う体系的な構造を形成しているのです。
『ゴエティア』では、これらの悪魔は王、君主、公爵、侯爵、伯爵、騎士、総裁といった地位(爵位)を持ち、複数の爵位を兼ねる者も存在します。シトリーは「大伯爵かつ大公爵」という複数の高位爵位を持つことから、地獄の階級制度において重要な地位を占めていることがわかります。
参考)シトリーとは?美しき誘惑の悪魔|ソロモン72柱×WITH柴犬…

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