プルソンは『ゴエティア』において、非常に特徴的な姿で描写される悪魔です。人間の体にライオンの頭を持ち、熊にまたがって現れるという威厳ある姿をしています。その手には蛇を握っているか、トランペット(喇叭)を持っており、召喚の際には常にトランペットの音が先駆けとなって響き渡ると言われています。この外見は「地獄の辞典」に描かれた挿絵でも確認でき、ライオンに似る顔と熊の背に乗る姿が印象的に表現されています。
参考)ソロモン72柱の悪魔 地獄の王族プルソンについて分かりやすく…
興味深いことに、プルソンが手にする蛇については「無毒の蛇」であるという記述もあり、他の多くの悪魔が持つ邪悪な道具とは異なる性質を示唆しています。また、一部の資料ではトランペットではなく単に喇叭と記されており、この楽器が彼の音楽的能力と深く関わっていることを暗示しています。
プルソンは地獄において「王(King)」の位階を持つ偉大な悪魔であり、『ゴエティア』に記載された72柱の悪魔の中で序列第20番に位置します。彼が支配するのは22の悪魔軍団で、その構成員は非常に特殊です。
参考)プルソン - Wikipedia
この軍団の最も注目すべき点は、その構成員がかつて天界において高位にあった天使たちだということです。『ゴエティア』によれば、プルソンの軍団は一部が力天使(Virtues)、一部が座天使(Thrones)から成り立っています。これらの天使たちはかつて天界で重要な役割を担っていた存在であり、プルソン自身もかつては座天使または力天使の地位にあったとされています。
参考)https://izfact.net/solomon/20_purson.html
『ゴエティア』には全部で8人の「王」の位階を持つ悪魔が記載されており、プルソンはその一人として重要な地位を占めています。このことから、彼が地獄の階層において相当な権力と影響力を持つ存在であることが分かります。
参考)212 「ソロモン!ゲットやで!」シリーズ 序列20番・プル…
プルソンは召喚者に対して多様な能力を提供する悪魔として知られています。最も有名な能力の一つは、隠された財宝の在処を教えることです。これは単なる金銭的な富だけでなく、秘密の知識や失われた物品の発見にも関わる能力とされています。
参考)プルソン/Purson
さらに、プルソンは過去と未来の秘密を明かす力を持っています。この予知能力は多くのソロモン72柱の悪魔が共有する特性ですが、プルソンの場合は特に「秘密」に関する知識に特化しているとされます。召喚者が知りたい隠された真実や、まだ明かされていない未来の出来事について、プルソンは正確な情報を提供すると言われています。
特筆すべきは、プルソンが音楽や芸術に関する才能を授ける能力です。具体的には、作曲や楽器を奏でる技巧を召喚者に教えることができるとされています。この音楽的な側面は、彼がトランペットを持って現れることとも関連しており、他の多くの悪魔とは一線を画す特徴となっています。
ソロモン72柱の悪魔にはそれぞれ「シジル(Sigil)」と呼ばれる専用の印章が存在します。シジルは悪魔を召喚する際に必要不可欠なマークであり、『ゴエティア』にはこれらのデザインと制作法が詳しく記録されています。プルソンにも固有のシジルがあり、召喚者はこのマークを身に着けていなければ、たとえプルソンを呼び出すことができても恩恵を得ることはできないとされています。
『ゴエティア』では、悪魔を召喚するための具体的な手順が詳細に記されています。必要なものとして、魔法円、印章、そして特定の呪文があります。召喚の際には、悪魔が暴れないように対応する天使をあらかじめ呼び出して見張らせる方法も存在します。「ラッド博士のゴエティア」と呼ばれる手稿本には、72体の悪魔に対抗する72天使が紹介されており、プルソンにも対応する天使が設定されています。
興味深いことに、プルソンは「善良な守護精霊たちの父」という異名でも呼ばれることがあります。これは彼の姿と能力が、他の邪悪な悪魔たちと比較して比較的穏やかであることに由来すると考えられます。ただし、悪魔である以上「虚偽」や「邪悪な喜び」を象徴し、人々を欺く側面も持っているとされており、召喚には十分な注意が必要です。
参考)プルソン - ナムウィキ
プルソンは『ゴエティア』という古典的な魔術書に起源を持つ悪魔ですが、現代では様々な創作物に登場しています。特に日本のポップカルチャーにおいて、ソロモン72柱の悪魔たちは人気の題材となっており、プルソンもその一員として多くの作品に描かれています。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3
代表的な作品としては、スマートフォンゲーム『メギド72』があります。この作品では、ソロモン72柱の悪魔たちがキャラクター化されており、プルソンも登場人物の一人として実装されています。ゲーム内でのプルソンのキャラクター設定は、原典の悪魔学的な特徴を踏まえつつも、独自の解釈やアレンジが加えられています。
参考)https://www.pixiv.net/tags/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3/novels
また、漫画『魔入りました!入間くん』にもプルソンというキャラクターが登場します。この作品では悪魔たちが学園生活を送るという設定になっており、プルソンも学生として描かれています。原作の悪魔としての特徴を残しつつ、親しみやすいキャラクターとして再解釈されているのが特徴です。
さらに、『ゴエティア -千の魔神と無限の塔-』というゲームにもプルソンが登場し、光属性のアビリティを持つキャラクターとして実装されています。これらの創作作品において、プルソンの音楽的な能力や財宝に関する知識、予知能力といった原典の特徴が、様々な形でキャラクター設定に反映されています。
参考)プルソン - ゴエティア -千の魔神と無限の塔-攻略 Wik…
『ゴエティア』によれば、ソロモン王は72人の悪魔たちを真鍮の器に封印し、バビロンの深い湖に投げ込んだとされています。この伝説では、ベリアル、ビレト、アスモダイ、ガープの4体が首領として軍勢を率いていました。プルソンはこれらの首領たちほどの権力はありませんが、「王」の位階を持つことから、72柱の中でも上位の存在であることが分かります。
バビロニアの人々が財宝が入っていると考えて器を開封したとき、封印されていた悪魔たちは一斉に飛び出し、ベリアル以外は元の位置に復帰したとされています。この神話的な物語は、ソロモン72柱の悪魔たちが単独で存在するのではなく、一つの体系的な階層構造の中で位置づけられていることを示しています。
プルソンの支配する軍団が力天使と座天使から構成されているという点は、天界の階層構造と地獄の階層構造が密接に関連していることを示唆しています。このような設定は、悪魔学における「堕天使」の概念、つまり元々は天使であった存在が堕落して悪魔となったという思想を反映しています。
他のソロモン72柱の悪魔と比較すると、プルソンの特徴は比較的温和で、芸術的な側面を持っている点にあります。例えば、同じ「王」の位階を持つアスモダイが欲望や破壊に関連する能力を持つのに対し、プルソンは知識と芸術を司る存在として描かれています。この多様性こそが、ソロモン72柱という体系の豊かさを物語っています。