11月14日の今日は、夏の大三角を西の空に見ることができます。観測に適した時間は20時~22時頃で、この時間帯には西の空のやや低い位置に夏の大三角が見えます。夏の大三角は6月~9月が最も観測しやすい時期ですが、11月でも宵の時間帯であれば西の空で観測可能です。
参考)夏の大三角とは?見つける方角や時間帯、おすすめ観測アプリをご…
今日の観測では、まず西の方角を向いて空を見上げてください。7月や8月のように真上や東の空に見えるのとは異なり、11月は西の空の地平線に近い位置に沈んでいく様子が観察できます。街灯や建物の明かりが少ない場所を選ぶと、より見つけやすくなります。
参考)夏の大三角を見つけよう
観測する際は、コンパスやスマートフォンの方位磁針アプリで西の方角を正確に確認することをおすすめします。時期によって三角形の向いている方向が変わるため、11月は夏に比べて傾いた状態で見えることに注目してみましょう。
参考)夏の大三角形を見つけよう。見つけ方のポイントやきれいに見える…
夏の大三角は、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブという3つの明るい1等星を結んで描かれる細長い大きな三角形です。これらの星はそれぞれ異なる星座に属しており、それぞれに特徴があります。
参考)夏の大三角(だいさんかく) - 夏の星座 - 星空 - Ya…
**ベガ(こと座)**は、3つの星の中で最も明るく輝く星で、等級0.03という非常に明るさを持ちます。七夕伝説では織姫星として知られており、地球から約25光年の距離にあります。ベガは夏の大三角を探す際の起点となる星で、まずこの星を見つけることが重要です。
参考)https://starwalk.space/ja/news/summer-triangle-asterism
**アルタイル(わし座)**は、等級0.77の明るい星で、七夕伝説では彦星として親しまれています。ベガから右下の方向に位置しており、天の川を挟んでベガの反対側に見えます。
参考)夏の大三角と星の距離
**デネブ(はくちょう座)**は、等級1.25の星で、3つの中では最も暗く見えますが、実際には非常に遠い距離にある巨大な星です。ベガから左下の方向に位置し、天の川の中にあります。七夕伝説では、織姫と彦星を結ぶカササギの象徴とされています。
参考)七夕に出会う織姫と彦星は夏の大三角形の一部?! | オルゴー…
夏の大三角と天の川は密接な位置関係にあり、天の川を目印にすると夏の大三角を見つけやすくなります。天の川は夜空にぼんやりと白い帯状に見える銀河の一部で、夏は銀河の真ん中の部分が見えているため、他の季節よりもはっきりと観測できます。
参考)夏の大三角・天の川・さそり座の見つけ方!方角や星座の神話も紹…
天の川は、こと座のベガ(織姫星)とわし座のアルタイル(彦星)の間を横切っており、七夕伝説で語られるように2つの星を隔てています。一方、はくちょう座のデネブは天の川の中に位置しており、まるで天の川を飛ぶ白鳥のように見えます。
街灯りが少ない暗い場所で観測すると、夏の大三角から南の地平線に向かって天の川が流れている様子を確認できます。天の川沿いには夏を代表する星座が並んでおり、夏の大三角はそれらの星座を探すためのガイド役となっています。
夏の大三角を見つける際には、星座観測アプリを活用すると便利です。GPS機能付きのアプリを使えば、スマートフォンを夜空にかざすだけで、リアルタイムでどの方向にどの星座があるかを確認できます。
参考)星座アプリのおすすめ人気ランキング
youtube
代表的な星座アプリとしては「Star Walk 2」があり、初心者でも簡単に星座を見つけることができます。これらのアプリは、iPhoneでもAndroidでも利用可能で、夏の大三角だけでなく冬の大三角など、季節ごとの星座も見つけられます。
参考)https://play.google.com/store/apps/details?id=com.vitotechnology.StarWalk2Freeamp;hl=ja
youtube
アプリには検索機能が充実しているものも多く、星の名前や観測時間で調べたいときに便利です。特に初心者の方は、「これが夏の大三角かな?」と確信が持てないときに、アプリで実際の星空と照合できるため安心です。
夏の大三角は、季節によって見える方角と時間が大きく変わります。北半球の中緯度地域では春の早朝から見え始め、11月の宵まで観測可能です。
参考)夏の大三角 - Wikipedia
6月~7月には、東の空で夜21時頃から見え始めます。この時期は東の方角を向いて見上げた位置に夏の大三角が昇ってきます。ただし、七夕の時期(7月7日頃)は、まだ夏の大三角が昇ったばかりで低い位置にあり、また日本は梅雨のため曇りや雨の日が多く、観測条件はあまり良くありません。
参考)夏の大三角|星や月|大日本図書
8月~9月は最も観測に適した時期で、20時~22時頃に頭上の天頂近くに見えます。特に8月上旬の20時~22時が観測のベストタイミングとされています。この時期は一更(午後8-10時頃)の頃にほぼ天頂近くに来るため、街灯りが少ない場所であれば天の川も一緒に観測できます。
10月~11月には、西の空で観測することになります。この時期は夏の大三角が西に傾き、地平線に近い位置で見えるため、7月や8月に比べると観測時間が短くなります。それでも宵の時間帯であれば十分に観測可能で、沈んでいく夏の大三角を見送ることができます。
意外なことに、夏の大三角は冬の時期でも観測可能です。3月上旬には夜明け前の午前5時頃に東北東の空で、5月上旬には午前3時過ぎに東の空高くに見ることができます。早起きが得意な方は、季節外れの夏の大三角を探してみるのも面白いでしょう。
観測する際は、3時間ほどの間隔で何度か空を見上げてみると、星の動きがよくわかります。テレビを見たり、ごはんを食べたり、お風呂に入ったりしながら、8時、9時、10時と段階的に観測すれば、ずっと外にいる必要もありません。
参考)姫路科学館・宿題や自由研究の参考ページ(夏の大三角編)
季節による観測条件の違い。
| 時期 | 観測時間 | 方角 | 観測のしやすさ |
|---|---|---|---|
| 6月~7月 | 21時頃 | 東の空 | やや低い位置、梅雨で曇りが多い |
| 8月~9月 | 20時~22時 | 天頂付近 | 最適な観測条件 |
| 10月~11月 | 20時~21時 | 西の空 | やや低い位置だが観測可能 |
夏の大三角を確実に見つけるためには、いくつかの実践的なコツがあります。まず、観察する月と時間を確認することが重要で、時期と時間によって見える方角が大きく変わります。
最も効果的な方法は、3つの星の中で最も明るいベガをまず探すことです。7月の夜であれば、東を向いて見上げたところにある一番明るい星がこと座のベガです。ベガを見つけたら、そこから右下の方向にわし座のアルタイル、左下の方向にはくちょう座のデネブを探します。
実際の観測では、星座早見盤やスマートフォンのアプリを併用すると確実です。まず方位磁針で観測する方角を確認し、星座早見盤をかざして星空と見比べながら大三角を探します。星座早見盤を頭の上にかざして、自分が向いている方角と星図の方角を合わせると、正確な位置関係がわかります。
参考)https://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/643034/1-20240729144534_b66a72c7e6dd1e.pdf
夏の大三角が見つかったら、近くにあるさそり座のアンタレスを探してみるのも良い方法です。7月~8月の21時頃であれば、南の空の低い場所に赤く輝くアンタレスが見つかります。夏の大三角は、アンタレスから北へ少し視線を移動させた場所にあるため、アンタレスを先に見つけてから夏の大三角を探すという逆のアプローチも有効です。
正しく見つけられたか不安な場合は、手のものさしを使って確認する方法があります。星図で各星の高さを確認し、例えば高さ55度の星はこぶし5個と6個の間あたりに見えるはずです。夏の大三角は想像以上に大きく見えるため、最初は驚くかもしれません。
国立天文台の「今日のほしぞら」サイトでは、現在の時刻における夜空の状態を確認できます。このようなツールを事前にチェックしておくと、より確実に夏の大三角を見つけることができるでしょう。
参考)https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/skymap.cgi
国立天文台「今日のほしぞら」- 現在の夜空の状態や天体の位置を確認できる公式ツール
佐賀県立宇宙科学館「夏の大三角を見つけよう」- 星図を見つけよう」- 星図の使い方や観測方法の詳しい解説