ヘルメス神話と役割や伝令神の誕生とエピソード

星座好きなら知っておきたいヘルメスの神話。商業や旅人を守る神として、オリュンポス十二神の一柱を務めた伝令神の知られざる逸話とは?あなたは何を感じますか?

ヘルメス神話と役割

ヘルメス神話の主要ポイント
オリュンポス十二神の伝令役

ゼウスの使者として神々の伝言を届け、商業・旅人・盗賊を守護する多才な神

🌟
誕生日に牛泥棒の伝説

生まれた日にアポロンの牛を盗み、亀の甲羅で竪琴を発明した早熟の神

⚰️
冥界への魂の案内人

死者の魂を冥界に導く役割を持ち、現世と冥界を自由に往来できる唯一の神

ヘルメス神話における伝令神の位置づけ

 

ヘルメスはギリシャ神話のオリュンポス十二神の一柱として、神々の伝令役を務める重要な存在です。ゼウスの末っ子として生まれたヘルメスは、ローマ神話ではメルクリウス、英語ではマーキュリーと呼ばれ、水星の語源にもなりました。彼の多才さは、商業・旅行・盗賊・雄弁・境界の守護という多様な役割に表れています。

 

参考)ヘルメース - Wikipedia

神々の使者として活躍したヘルメスは、ゼウスからの命令を他の神々や人間に伝える重要な任務を担当していました。翼のついた黄金のサンダルと広いつばの旅人の帽子を身につけ、迅速に移動する姿が特徴的です。特に2匹の蛇が絡まった杖ケリュケイオン(カドゥケウス)は、彼のシンボルとして広く知られています。

 

参考)【「旅人」から「強盗」まで守護した庶民の理想像】伝令の神ヘル…

オリュンポス十二神の中でも、ヘルメスは庶民に身近な神として崇拝されました。権力を持つ貴族層だけでなく、商人や職人、旅人、さらには盗賊まで幅広い層の守護者となったのです。この幅広い役割は、彼が生まれながらに持っていた知恵と狡猾さに由来しています。

 

参考)乙女座の別の顔は守護星水星ヘルメスの側面~ギリシャ神話から|…

ヘルメス誕生と牛泥棒のエピソード

ヘルメスの誕生と直後の行動は、神話の中でも特に印象的なエピソードです。アルカディアのキュレネ山上の洞窟で、ゼウスと星の精霊マイアの間に生まれたヘルメスは、生まれた日に早くも才能を発揮しました。母親によって帯で巻かれてゆりかごに置かれたものの、すぐに這い出してピエリア山に登り、異母兄アポロンの牛50頭を盗み出したのです。

 

参考)《神話-8》伝令神ヘルメス|Aya

足跡を消すため、ヘルメスは牛の群れに草鞋を履かせるという巧妙な手段を用いました。さらに驚くべきことに、盗んだ牛の一頭を屠り、亀の甲羅に牛の腸の筋を張って竪琴を発明しました。この発明がのちにヘルメスとアポロンの和解の鍵となります。

 

参考)【ヘルメス】ギリシャ神話の多彩な神の正体と伝説を英語で解説

アポロンは占いで盗人がヘルメスであることを知り、ゼウスに訴えました。ゼウスの命令によりヘルメスは牛を返すことになりましたが、アポロンはヘルメスが作った竪琴の音色に聞き惚れ、牛と竪琴を交換することを提案します。こうして生まれたばかりの神が、知恵と交渉力で危機を乗り越えたのです。

 

参考)ヘルメス - オデュッセイアを読む@wiki - atwik…

ヘルメス神話の冥界案内人としての役割

ヘルメスは神々の伝令役だけでなく、死者の魂を冥界へ導く「魂の案内人」という重要な役割も担っていました。この役割はギリシャ語で「プシューコポンポス(魂の導き手)」と呼ばれ、現世と冥界を自由に往来できる唯一の神としての特権を示しています。

 

参考)ギリシャ神話のヘルメスを徹底解説!杖の秘密とエルメスとの関係…

死者が冥界の王ハデスの元へ向かう際、ヘルメスが安全に案内することで、死後の道のりがスムーズになると考えられていました。有名な神話では、冥界に妻エウリュディケを探しに行ったオルフェウスや、冥界の王ハデスに略奪されたペルセポネが母デメテルと再会する際にも、ヘルメスが付き添っています。英雄ヘラクレスが冥界に戻る時にも、ヘルメスは冥界への案内役を務めました。

 

参考)ギリシャ神話「ヘルメス」のエピソードまとめ

冥界案内人としての役割は、占星術における乙女座の守護星・水星の側面にも大きく関係しています。人の眠気を支配して眠らせる力も持つヘルメスは、境界を越える存在として、生と死の世界を繋ぐ特別な神でした。

 

参考)オーラカラー&守護神でわかる、本来の性格と奥底に秘めた力とは…

ヘルメス神話とゼウス救出の知略

ヘルメスの知略が光るエピソードとして、父ゼウス救出の物語があります。怪物テューポーンがゼウスを捕らえ、その腱を奪って力を封じた時、ヘルメスは息子パーンを連れて救出に向かいました。門番を騙して腱を盗み出し、ゼウスを救出することに成功したのです。

力を取り戻したゼウスは、眠っていたテューポーンの上にエトナ山を落として押し潰しました。エトナ山からときどき上がる噴煙は、テューポーンの唸り声だと言い伝えられています。この救出劇は、ヘルメスの機転と勇気、そして交渉術の巧みさを示す代表的なエピソードです。

別の神話では、ヘラの復讐から守るためにゼウスによって牛の姿に変えられたイオを、ヘルメスが救出する場面もあります。百目の巨人アルゴスに監視されていたイオを解放するため、ゼウスに遣わされたヘルメスは、笛の音でアルゴスを眠らせて命を奪いました。このエピソードから、ヘルメスは「アルゴスの殺し手(アルゲイフォンテス)」という敬称も持っています。

 

参考)https://julius-caesar1958.amebaownd.com/posts/12423320/

星座占いから見るヘルメス神話の影響

ヘルメスは水星の神として、西洋占星術において重要な役割を果たしています。水星を守護星とする双子座と乙女座の守護神がヘルメスであり、知性とコミュニケーション能力を象徴しています。特に双子座の人々は、ヘルメスのように臨機応変に物事に対応し、常に新しい情報や刺激を求める軽やかさが魅力的とされています。

 

参考)知ってる? 12星座の守護石「星座石」|パワーストーンコラム

乙女座においては、ヘルメスの冥界案内人としての側面が大きく働いていると考えられています。太陽と月が魚座、射手座、乙女座、山羊座、蠍座のどこかに入って組み合わさると、特定の性質が強調されるという占星術の見方もあります。ヘルメスの多面性は、星座占いにおいても多様な解釈を生み出しているのです。

水星の英語名マーキュリー(Mercury)は、ローマ神話のメルクリウス(Mercurius)に由来し、これがギリシャ神話のヘルメスと同一視されています。水曜日の語源もメルクリウスの日(Diēs Mercuriī)から来ており、ヘルメス神話は現代の暦や占星術にも深く根付いています。

 

参考)メルクリウス - Wikipedia

ギリシャ神話のヘルメスを徹底解説!杖の秘密とエルメスとの関係
ヘルメスの詳細な役割一覧と芸術作品における描写について、より深い知識を得られます。

 

伝令の神ヘルメス | 旅人から強盗まで守護した庶民の理想像
ヘルメスの簡易プロフィール、アトリビュート、聖獣など、神格の詳細情報が網羅されています。

 

ギリシャ神話「ヘルメス」のエピソードまとめ
ヘルメスの主要なエピソードを分かりやすくまとめた日本語の参考資料です。

 

 


ギリシャ神話の神 - ヘルメス Tシャツ