ブエルは、ソロモン72柱の悪魔の中で第10番目に記される地獄の総裁(President)です。彼は50個の悪霊軍団を指揮する力を持ち、「星辰総統」という異名でも知られています。ソロモン王が使役したとされるこの悪魔は、『レメゲトン』の第一部『ゴエティア』や、ヨーハン・ヴァイヤーの『悪魔の偽王国』などの中世魔術書に詳細が記録されています。
参考)ソロモン72柱の悪魔ブエルWITH柴犬:癒しの大公爵
ブエルの最大の特徴は、その独特な外見にあります。彼は5つの頭を持つ姿で描かれることもありますが、最も一般的なのは獅子の頭部に5本のヤギの足が放射状に生えた姿です。この姿は射手座のケンタウロスのような形態とも表現され、獣の姿と人間的な知性を併せ持つ特徴があります。
参考)総裁 ブエル【Buer】序列10番の総裁 - ソロモン王が使…
召喚に関しては、太陽が射手座(人馬宮)の位置にある時期にのみ可能とされています。この限定的な召喚条件は、ブエルの星辰との深い関わりを示しており、占星術的な要素が彼の性質に組み込まれていることを物語っています。
参考)https://mex-co.cfbx.jp/solomon72/10.html
ブエルは「魔界随一のセラピスト」とも称され、病気の治療に関して卓越した能力を持っています。彼は肉体的な病気や傷を癒す力を持ち、特に流行病や重大な病気に対して有効な力を発揮します。さらに、精神的な癒しにも深い理解があり、人々の心の問題や精神的な障害を癒す力を持つとされています。
参考)http://www.st-page.com/sisetu/beno/datensi/Buel10.htm
薬草に関する知識は、ブエルの能力の中核を成しています。伝承によれば、彼は3000種類もの薬草の調合法を知っており、あらゆる病気を治すことができるといいます。この能力は単なる医療知識にとどまらず、解毒作用に関しても強力な力を持ち、毒や有害物質を治療する方法に精通しています。
参考)http://www.yk.rim.or.jp/~h_okuda/wwf/devil_01.htm
ブエルが教える知識の範囲は医療だけではありません。自然哲学、道徳哲学、論理学といった学問分野にも精通しており、召喚者に対してこれらの知識を授けることができます。また、彼は予知能力も持ち、病気や健康に関連する未来の状況を知ることができるため、最良の治療法を選択する際のアドバイスを与えることも可能です。
参考)200「ソロモン!ゲットやで!」シリーズ 序列10番・ブエル…
| 能力の種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 治療能力 | 肉体的・精神的な病気や傷を癒す力 |
| 薬草知識 | 3000種類の薬草の調合法を伝授 |
| 哲学教育 | 自然哲学、道徳哲学、論理学を教える |
| 予知能力 | 健康に関する未来の状況を予測 |
ブエルは様々なゲーム作品に登場し、その独自の解釈が加えられています。最も有名なのは『女神転生』シリーズで、彼は「堕天使」種族として分類されています。『真・女神転生if...』では、カオス属性のレベル21の悪魔として登場し、衝撃系スキルを継承する特性を持ちます。このシリーズでは、ブエルは悪魔合体によって作成可能で、プレイヤーの仲魔として活躍します。
『真女神転生5Vengeance』でも登場が確認されており、長年にわたってシリーズのファンに親しまれています。女神転生シリーズでは、天使と悪魔が頻繁に登場し、独特の世界観の中でソロモン72柱の悪魔たちが重要な役割を果たしています。
参考)【真女神転生5Vengeance】特殊合体の悪魔一覧と解放条…
小説『アルス・ゲーティア~無能と呼ばれた少年は、72の悪魔を使役~』では、ソロモン72柱の悪魔を使役するという設定が物語の核となっています。このような作品では、ブエルを含む72柱の悪魔それぞれのユニークな能力と姿が、ファンタジー作品やゲーム、漫画などでキャラクターや物語の元ネタとして活用されています。
参考)アルス・ゲーティア~無能と呼ばれた少年は、72の悪魔を使役し…
水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズでは、ブエルは伝承に忠実な姿で登場します。漫画版では、獅子の頭に5本のヤギの足が生えた姿で描かれており、50個軍団を指揮する力を持った悪魔として描写されています。興味深いことに、この作品でのブエルは人間体と5本足の姿を切り替えることができ、人間バージョンの時はロンパリ(斜視)のオッサンという設定になっています。
参考)悪魔ブエル(ゲゲゲの鬼太郎) - アニヲタWiki(仮) -…
『ゲゲゲの鬼太郎』でのブエルは、腕を取り替えたり、人間を自分の配下の悪魔に変える能力を持つという独自の設定が加えられています。この解釈は原典の治療能力を拡大解釈したものと考えられ、水木しげる独特の視点が反映されています。
参考)第21回 ソロモンの悪魔10 ブエル - マガマガ博覧会
『足洗邸の住人たち』という作品にもブエルという名のキャラクターが登場します。この作品では、ブエルは独自の物語展開の中で活躍し、ソロモン72柱の悪魔としての設定を基にしながらも、作品ごとに異なる個性が与えられています。
参考)https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%96%E3%82%A8%E3%83%AB
ブエルを召喚するには、特定のシジル(魔法陣)を使用する必要があります。このシジルは、ブエル固有の幾何学的な紋章であり、『レメゲトン』などの魔術書に記録されています。召喚者はこのシジルを正確に描き、特定の呪文を唱えることで彼を呼び出すことができるとされています。
参考)ブエル - Wikipedia
召喚の時期については、前述の通り太陽が射手座の位置にある時期に限定されています。これは占星術的な条件であり、おおよそ11月下旬から12月下旬の期間にあたります。この時期的制約は、ブエルが「調和・喜び・笑い・精妙」を司る存在であることと関連していると考えられます。
召喚されたブエルは、召喚者に対して非常に忠実であるとされています。彼は良い使い魔を与え、召喚者の要求に応じて医療知識や哲学を教授します。この点において、ブエルは悪魔でありながら人間に害を与えることが少なく、むしろ有益な存在として描かれることが多いのが特徴的です。
ソロモン72柱の中で医療や治療に関わる悪魔は複数存在しますが、ブエルはその中でも特に専門性が高い存在です。バアルも知恵と治癒の能力があるとされますが、バアルは王の階級を持ち、より広範な知識と権能を持つのに対し、ブエルは治療と薬草学に特化した専門家的な位置づけです。
参考)悪魔の最強ランキング - 強力な力を持つ上位悪魔・地位・能力…
ブエルの特異性は、悪魔でありながら人間に害を与えず、むしろ積極的に癒しを提供する点にあります。伝承によれば、彼は死んでしまった会いたい人がいれば、その人の幽霊に会わせてくれるという能力も持っており、これは単なる医療を超えた霊的な癒しの領域にまで及んでいます。
チベット医学では約3000年前から薬草を使った治療が行われており、世界各地の伝統医学において薬草の知識は重要視されてきました。ブエルが持つ3000種類の薬草の知識という設定は、こうした実在の薬草医学の伝統と呼応しており、中世ヨーロッパにおける医療への憧憬が悪魔の設定に反映されたものと考えられます。
参考)https://biopaste.jp/wp-content/uploads/2025/02/funai-mail-club20230817.pdf
レメゲトン(ソロモンの小さな鍵)- Wikipedia
ブエルの原典となる魔術書『レメゲトン』の詳細な解説と、ゴエティアに記された72柱の悪魔の体系的な情報が記載されています。
ソロモン72柱の悪魔ブエル:癒しの大公爵 - NPC-WEB
ブエルの治療能力、精神的な癒し、医術の知識について包括的に解説されており、彼の性格や特徴についても詳しく記載されています。