フォラス悪魔の特徴と能力登場する物語ソロモン72柱の知識

ソロモン72柱の悪魔フォラスは、薬草や宝石の知識を授け、召喚者を不可視にする力を持つ序列31番の強大な総裁です。論理学や倫理学に精通し、失われた財宝の発見や長命化など多彩な能力を備えています。ゴエティアに記された彼の印章や召喚方法、現代の創作物での描かれ方まで、フォラスの全貌を知りたくありませんか?

フォラス悪魔の特徴と能力

この記事で分かるフォラスの全貌
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ソロモン72柱における位置づけ

序列31番の強大な総裁として29の軍団を統率し、水星とみずがめ座に関連する悪魔の基本情報

フォラスの持つ多彩な能力

薬草・宝石の知識、不可視化、論理学・倫理学の教授、財宝発見など召喚者に授ける力の詳細

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現代作品での登場

メギド72、ファイナルファンタジー、FGOなど人気ゲームでのフォラスの描かれ方と役割

フォラス悪魔ソロモン72柱における序列と地位

 

フォラスは、中世の魔術書『ゴエティア』(レメゲトンの第一書)に記載されたソロモン72柱の悪魔の一柱で、序列31番に位置する強大な地獄の総裁です。彼は29の軍団を統率する権限を持ち、その地位は「総裁(President)」という称号で表されます。

 

占星術的な対応関係では、フォラスは惑星では水星、星座ではみずがめ座(宝瓶宮)に関連付けられています。水星は知識や伝達を司る惑星であり、フォラスが教授する論理学や倫理学といった学問的能力と深く結びついています。この対応関係は、召喚の際の適切な時期を判断する重要な要素となります。

 

別名としてフォルラス(Forras)やフォルカス(Forcas)という呼び方も存在します。特に19世紀フランスの文筆家コラン・ド・プランシーが著した『地獄の辞典』では、フォラスはフォルカスの別名として紹介されており、序列50番の悪魔騎士フルカスとも混同されることがあります。しかし『ゴエティア』の記述では、フォラスとフルカスは明確に別の存在として区別されています。

 

フォラスの外見的特徴は「屈強な人間の姿」と記録されており、偉丈夫とも表現されます。これは多くの悪魔が獣や怪物の姿で現れるのとは対照的で、人間に近い姿で術者の前に顕現する点が特徴的です。

 

フォラス悪魔の薬草と宝石の知識能力

フォラスが持つ最も有名な能力の一つが、薬草(ハーブ)と宝石に関する深遠な知識の教授です。『ゴエティア』によれば、フォラスは召喚者に対して、様々な薬草や貴石が持つ効能や使用方法を詳細に教えてくれるとされています。

 

この能力は単なる知識の伝達にとどまりません。フォラスは召喚者に対して、持続的な研鑽や学習方法そのものを教えるという特徴があります。つまり、一時的な情報提供ではなく、長期的に自己研鑽を続けられるスキルを授けてくれる教師的な側面を持っているのです。これは他の悪魔には見られない独特の性質です。

 

古代から中世にかけて、薬草学は医療と密接に結びついており、宝石もまた治療や魔術的な力を持つと信じられていました。フォラスが教える知識は、実践的な医学知識から錬金術的な秘儀まで幅広い範囲をカバーしていたと考えられます。

 

興味深いことに、『精霊の職務の書』という別の魔術書では、パルタス(PARTAS)という存在がフォラスの異称として言及されています。パルタスは大きなハゲタカの姿をしており、同じく薬草や石の効用を教え、召喚者を不可視にする能力を持つとされます。この記述は、フォラスが複数の形態を取り得る可能性を示唆しています。

 

💎 薬草と宝石の知識が重視された背景

  • 中世ヨーロッパでは薬草が主要な医療手段
  • 宝石は治癒力や魔除けの効果があると信じられた
  • 錬金術では物質の変容に植物と鉱物が不可欠だった

フォラス悪魔の不可視化と防御の能力

フォラスのもう一つの重要な能力が、召喚者を不可視(invisible)にする力です。ただし、この「不可視」の解釈については複数の説が存在し、興味深い議論があります。

 

『魔導書ソロモン王の鍵』の解説では、この能力は人間を文字通り透明にするのではなく、人に追われている時などに無事に逃れられるようにする能力であると説明されています。つまり、物理的な透明化というよりも、追跡者の目を逃れる、あるいは注意を逸らすような力と解釈できます。

 

さらに興味深いのは、フォラスが人間を不可視(invisible)にするのではなく、無敵(invincible)にするという異説も存在することです。この解釈の違いは、写本の写し間違いや翻訳の過程で生じた可能性がありますが、どちらの解釈も召喚者の身を守るという根本的な目的は共通しています。

 

また、フォラスは失われた視力を取り戻す能力も持つとされています。これは物理的な視力回復だけでなく、真実を見抜く洞察力や精神的な「見る力」の回復も含まれると解釈されることがあります。

 

召喚者がフォラスの力を借りるためには、彼の印章(シジル)を羊皮紙または金属板に書いて身に着けておく必要があります。この印章を怠った場合、フォラスを従えることはできず、その恩恵も受けられないとされています。印章は召喚魔術における契約の証であり、悪魔との約束を視覚化したものといえます。

 

フォラス悪魔の論理学と倫理学の教授

フォラスは知識面において特に論理学と倫理学に精通しており、これらの学問を召喚者に教える能力を持っています。この特徴は、フォラスが単なる力を授ける悪魔ではなく、知的な成長を促す教育者的な側面を持つことを示しています。

 

論理学は古代ギリシャから発展した学問で、正しい推論や思考の方法を体系化したものです。中世ヨーロッパでは、論理学は大学教育の基礎科目である「自由七科」の一部として重要視されていました。フォラスから論理学を学ぶことで、召喚者は明晰な思考力や説得力のある議論を構築する能力を獲得できるとされます。

 

倫理学は善悪や道徳的価値を探究する学問です。悪魔が倫理学を教えるというのは一見矛盾しているように思えますが、これは善悪の判断基準そのものを理解することで、より効果的に目的を達成できるという実践的な知恵と解釈できます。

 

さらに、フォラスは召喚者に雄弁さを授ける能力も持っています。これは論理学の教授と密接に関連しており、正しい論理構造を持った説得力のある話術を身につけさせるものです。中世において雄弁術は権力者や学者にとって必須のスキルであり、フォラスのこの能力は非常に実用的なものでした。

 

また、フォラスは召喚者に長命を授ける力も持つとされています。これは単なる寿命の延長だけでなく、身体的・精神的な健康の促進も含まれると解釈されます。知識と健康を同時に授けるという点で、フォラスは総合的な人間の向上を支援する存在といえます。

 

📖 論理学と倫理学が重視された理由

  • 中世大学では論理学が必須科目だった
  • 弁論術は社会的地位の獲得に不可欠
  • 倫理学の理解は判断力の向上につながる

フォラス悪魔の財宝発見と物質的恩恵

フォラスは精神的・知的な恩恵だけでなく、物質的な利益ももたらす能力を持っています。特に財宝を発見する力と、失われた物を取り返す力は、召喚者にとって非常に実用的な能力です。

 

財宝発見の能力は、古代から魔術において重要視されてきました。中世ヨーロッパでは、埋蔵金や隠された宝物の伝説が数多く存在し、それらを発見することは一攫千金の夢でした。フォラスはこうした隠された富の在処を召喚者に教えることができるとされています。

 

失われた物を取り返す能力も同様に実践的です。これは単に紛失物を見つけるだけでなく、盗まれた物品を取り戻したり、正当な権利を回復したりする力も含まれると解釈されます。法的な争いや財産問題の解決にもフォラスの力が援用されていた可能性があります。

 

また、フォラスには宝物を転送させる能力もあるとされます。これは物理的に物品を瞬間移動させるような超常的な力と考えられており、錬金術的な物質変容の能力とも関連しているかもしれません。

 

興味深いことに、一部の文献ではフォラスが街を破壊する能力を持つとも記されています。これは彼の持つ力の暗黒面を示しており、召喚者が適切に制御しなければ、その力が破壊的に作用する可能性を警告しています。悪魔召喚において、力の適切な制御と方向付けがいかに重要かを示す例です。

 

🔮 財宝発見能力の魔術的背景

  • 占星術と組み合わせて宝の位置を特定
  • 地下水脈探知のダウジングとの類似性
  • 錬金術における「隠されたもの」の発見

フォラス悪魔が登場する現代の物語と作品

現代において、フォラスは様々なフィクション作品、特にゲームやアニメ、マンガなどに登場しています。ソロモン72柱の悪魔は創作の題材として人気が高く、フォラスもその例外ではありません

 

メギド72では、フォラスは重要なキャラクターとして登場します。このゲームはソロモン72柱をモチーフにしたスマートフォンゲームで、フォラスは優秀なサポーターとして描かれています。ゲーム内での彼の能力は「味方の効果範囲を全体化する」という独特のもので、これは原典における「教育者」としての性質を、仲間を強化する能力として解釈したものと考えられます。
ゲームのストーリーでは、フォラスが仲間の悪魔フォルネウスの障壁を世界中に「全体化」するという重要な役割を果たす場面があります。これはゲーム的な能力設定とストーリーを巧みに融合させた例として、プレイヤーから高く評価されています。速攻戦術のサポートに適しており、1ターン目からレッドウィングが使えるという特徴も持っています。

 

ファイナルファンタジーシリーズにもフォラスは登場しています。このシリーズでは悪魔学に基づいた様々な召喚獣やモンスターが登場し、フォラスもその一体として採用されています。『ゴエティア』の記述に基づいた設定がなされており、ファンタジーRPGの世界観を豊かにする要素となっています。
**Fate/Grand Order(FGO)**では、直接フォラスという名前のキャラクターは登場しませんが、ソロモン72柱をモチーフにした「魔神柱」というシステムが存在します。このゲームではバルバトス、フラウロス、フォルネウスなどの魔神柱が登場し、プレイヤーと戦闘を繰り広げます。特にバルバトスは素材ドロップ率の高さから、イベント開始から12時間で倒されるという伝説的なエピソードがあります。

 

その他にも、ピクシブなどのイラスト投稿サイトでは、フォラスを題材にした二次創作作品が多数投稿されています。屈強な男性という原典の描写を基に、様々な解釈のビジュアルが生み出されています。

 

🎮 主な登場作品

  • メギド72:優秀なサポーター、全体化能力
  • ファイナルファンタジー:モンスターとして登場
  • Fate/Grand Order:魔神柱システムの一環
  • 各種創作物:イラスト、小説などの二次創作

フォラス悪魔の召喚方法と印章の重要性

フォラスを召喚する際には、『ゴエティア』に記された厳格な手順と道具が必要とされます。中でも最も重要なのが、フォラス固有の印章(シジル)です。

 

印章は各悪魔を識別し、召喚するための魔術的な記号で、幾何学的な線や円、文字などを組み合わせた独特のデザインを持っています。フォラスの印章は羊皮紙または金属板に正確に描かれる必要があり、召喚者はこれを身につけておかなければなりません。印章を怠った場合、フォラスは召喚者に従わず、その恩恵を授けることもないとされています。

 

召喚の際には、魔術師は自身を守るために魔法円の中心に立ちます。魔法円の東側には召喚の三角形が設置され、その中に置かれた円(通常は黒く塗られた鏡)にフォラスを呼び出します。この配置は魔術師と悪魔の間に明確な境界を設け、安全を確保するためのものです。

 

また、召喚には適切な香や呪文の詠唱も必要とされます。フォラスは水星とみずがめ座に対応しているため、これらに関連する時期や時刻を選ぶことも重要です。占星術的なタイミングを考慮することで、召喚の成功率が高まると考えられていました。

 

近年では、フォラスの印章をモチーフにしたタリスマンやネックレスなどのアクセサリーも販売されています。これらは魔術的な実践というよりも、ファッションアイテムやオカルト趣味のコレクションとして楽しまれています。Etsyなどのハンドメイド商品サイトでは、「健康の獲得、寿命の延長、哲学と魂の力の神秘へのアクセス」を目的としたお守りとして紹介されています。

 

ゴエティア(Wikipedia)
ソロモン王が使役した72の悪魔について、召喚手順や印章のデザイン、必要な呪文などが詳細に解説されています。フォラスを含む各悪魔の基本情報を知る上で有用な参考資料です。

 

📿 印章の役割と意味

  • 悪魔との契約を視覚化したもの
  • 召喚者の意図を明確にする記号
  • 保護と制御のための魔術的な道具

フォラス悪魔と他の悪魔との関係性

ソロモン72柱の中で、フォラスは特定の上位悪魔の配下に位置付けられています。『悪魔の偽王国』などの文献によれば、フォラスはヴォレフォル、レライエと共に、ある上位の悪魔の部下として仕えているとされます。

 

この上位の悪魔は、人の秘めた本心を探り出し、記憶や本心を消す能力を持つ強力な存在です。フォラスが論理学や倫理学を教える能力を持つのに対し、この上位存在は人間の精神そのものに介入する力を持っており、より根源的な支配力を有しています。

 

また、前述のように、フォラスはしばしば序列50番の悪魔騎士フルカスと混同されます。コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』では、フォルカスという項目の下にフォラスとフルカスの両方が別名として記載されており、同一視されています。しかし『ゴエティア』の記述を詳細に検討すると、両者は明確に異なる存在です。

 

フルカスは青白い馬に乗り、鋭い武器を手にし、長い白髪と髭をたくわえた老人の姿で現れるとされています。これはフォラスの「屈強な人間の姿」という描写とは明らかに異なります。『地獄の辞典』のフォルカスの項目に掲載された挿絵も、実際にはフルカスの特徴を反映したものとなっています。

 

この混同が生じた理由としては、名前の音韻的類似性(Foras、Forcas、Furcas)が挙げられます。中世の写本が手書きで複製される過程で、誤記や混同が生じやすかったことも一因でしょう。また、複数の魔術書や伝承が並行して存在し、それぞれで異なる記述がなされていたことも、混乱を招いた要因と考えられます。

 

ソロモン72柱全体の階層構造において、フォラスは「総裁」という地位にあります。これは王や公爵といった最上位の階級ではありませんが、29の軍団を率いる指揮官としての権限を持ち、決して低い地位ではありません。地獄の組織における中堅幹部といった位置づけができるでしょう。

 

🔗 悪魔の階層構造

  • 王、公爵:最上位の支配者
  • 侯爵、伯爵:高位の貴族階級
  • 総裁、騎士:中堅の指揮官層(フォラスはここ)
  • その他の称号:様々な役割を持つ悪魔たち

フォラス悪魔にまつわる意外な逸話と解釈

フォラスについては、一般的にあまり知られていない興味深い逸話や解釈がいくつか存在します。

 

まず、フォラスの「不可視化」能力について、現代の魔術研究家たちは新しい解釈を提示しています。これは単なる物理的な隠蔽ではなく、社会的な「見えなさ」、つまり他者の注意や記憶から逃れる能力と解釈できるというのです。デジタル時代に置き換えれば、個人情報の保護やプライバシーの確保といった概念に通じるものがあります。

 

また、フォラスが教える「薬草と宝石の知識」は、中世の錬金術において特別な意味を持っていました。錬金術では植物(薬草)が硫黄の原理を、鉱物(宝石)が塩の原理を象徴するとされ、これらの完全な理解は賢者の石の製造に不可欠とされていました。つまり、フォラスの知識は単なる薬学ではなく、物質変容の奥義への入門だったのです。

 

占星術的な対応関係で、フォラスが水星とみずがめ座に関連付けられていることも意味深長です。水星は伝達と知識の惑星であり、みずがめ座は革新と人道主義の星座とされます。この組み合わせは、フォラスが伝統的な知識を革新的な方法で伝える存在であることを暗示しているのかもしれません。

 

さらに、フォラスが「論理学と倫理学」を教えるという点について、哲学的な解釈も可能です。悪魔が倫理を教えるというパラドックスは、善悪の基準そのものが相対的であり、状況依存的であるという思想を示唆しています。これは中世後期のスコラ哲学における倫理的相対主義の議論と関連しているかもしれません。

 

フォラスの「長命を授ける」能力についても、単なる寿命延長ではなく、時間に対する認識の変化と解釈する研究者もいます。充実した学びと明晰な思考によって人生の質を高めることで、主観的な時間を延長するという意味だというのです。

 

現代のポップカルチャーにおいて、フォラスは比較的地味な悪魔として扱われがちですが、その能力の本質を深く掘り下げると、実は最も実用的で、人間の成長に寄与する悪魔の一柱であることがわかります。派手な破壊力や支配力を持つ他の悪魔と比べて、フォラスは教育者・指導者としての側面が強く、これは現代社会においてより価値のある能力といえるでしょう。

 

💡 現代的解釈の例

  • 不可視化=プライバシー保護の能力
  • 薬草・宝石の知識=錬金術の奥義への入門
  • 論理学・倫理学=相対主義的思考の獲得
  • 長命=人生の質的向上による時間の延長

 

 


悪魔解説書 ソロモン72柱の悪魔