ボティスは召喚時、最初は巨大で醜悪な毒蛇の姿で術者の前に現れます。この初期形態は蛇特有の威圧感を放ち、召喚者の勇気を試すかのような恐ろしい姿をしています。しかし召喚者が命じると、ボティスは人間の姿へと変化する能力を持っています。人間形態では、二本の角と鋭い牙を持ち、輝く剣を手にした姿で現れるとされています。舌の先端は爬虫類のように割れており、元の蛇の姿の名残を留めています。この二重の姿は、ボティスが変幻自在の能力を持つ悪魔であることを象徴しており、その剣はコンクリートの天井すら切り裂くほどの鋭い切れ味を誇ります。蛇の姿での召喚は比較的小さな魔法陣で可能とされており、他の高位悪魔と比較して召喚の難易度が低いという特徴があります。
『ゴエティア』によると、ボティスはソロモン72柱の中で序列17番に位置する悪魔です。地獄における階級は「大総裁」と「伯爵」という二つの称号を持ち、これは彼が地獄の階層において非常に高い地位にあることを示しています。ボティスは60の軍団を統率する指揮官でもあり、この軍団数は72柱の中でも中堅からやや上位に位置する規模です。『大奥義書』ではアガリアレプトの配下にあるとされ、地獄の組織構造における位置づけも明確にされています。序列17番という数字は、ソロモン王が封印した72体の悪魔の中で比較的早い段階に封印された存在であることを意味し、その力の強大さを物語っています。総裁と伯爵という二つの肩書きを併せ持つことは、ボティスが行政的な役割と貴族としての地位の両方を担う、多面的な能力を持つ悪魔であることを示唆しています。
ボティスの最も特徴的な能力は、過去・現在・未来を見通す予知能力です。この力により、召喚者は未来に起こる出来事を知ることができ、適切な判断を下すための情報を得られます。さらにボティスは秘密を暴露する能力も持ち、隠された真実や知識を明らかにすることができます。しかし最も興味深いのは、争いの仲裁や和解をもたらす能力です。これは悪魔としては極めて珍しい特性であり、敵対している者同士を一時的に仲直りさせ、対立を解消することができます。この和解の力は、単なる一時的な停戦ではなく、精神的な影響を与えて真の理解をもたらすとされています。また、ボティスは薬草や宝石の知識にも通じており、召喚者に対してこれらの秘密の知識を授けることができます。彼の剣は物理的な武器としても強力で、あらゆる物質を切断する力を持つとされ、防御にも攻撃にも活用できる多様性を備えています。
ボティスは様々な創作物に登場しています。漫画『左門くんはサモナー』では、地獄の伯爵として長い黒髪を三つ編みにまとめた女性の姿で描かれ、二本の角と蛇のような舌を持つキャラクターとして登場します。この作品では召喚時は蛇の姿で現れ、小さな魔法陣で召喚可能という原典の特徴を踏襲しています。YouTubeアニメ『混血のカレコレ』では、壺に封印されていたボティスが解放され、時間操作能力を持つ重要キャラクターとして活躍します。この作品では契約者の心臓の状態によって力が制限されるという独自の設定が加えられ、普段はマスコットサイズながら本来の姿では圧倒的な力を発揮します。ゲーム『メギド72』にもボティスは登場し、自身に敵視を集める盾役として機能するキャラクターとして実装されています。これらの作品群は、原典のボティスの特徴を活かしつつ、それぞれ独自の解釈と設定を加えることで、多様なボティス像を生み出しています。
ボティスの召喚には『ゴエティア』や『レメゲトン』といった魔導書に記された手順が必要とされます。召喚時にはボティス専用のシジル(紋章)を使用し、これは悪魔の名称を視覚化した紋様で、召喚や加護を得る際の象徴として機能します。ボティスは蛇の姿で現れるため、他の高位悪魔と比較して召喚に必要な魔法陣のサイズが小さくて済むという利点があります。召喚者が命じる際には、輝く剣を示し、丁重な態度で接することが重要とされています。『ミュンヘン降霊術手引書』にもボティスに関する記述があり、複数の古文書でその召喚方法が伝承されています。召喚後は未来の予見や対人関係の改善といった目的で使役されることが多く、特に争いの仲裁能力は実用的な価値が高いとされています。ただし悪魔との契約には常にリスクが伴い、召喚者は強い意志と適切な知識を持って臨む必要があります。ボティスは比較的扱いやすい悪魔とされていますが、その力を侮ることなく、慎重に儀式を執り行うことが求められます。
Wikipediaのボティスの項目では、ゴエティアにおける詳細な記述と歴史的背景が確認できます
『左門くんはサモナー』のWikipediaページでは、作品におけるボティスの描写と役割が詳しく解説されています