実は鬼宿日は「万事大吉」なのに、婚礼だけで財布が空になる凶が隠れています。
二十八宿(にじゅうはっしゅく)とは、古代中国で生まれた28個の星座のことです。「宿(しゅく)」という字が示す通り、月が一晩ずつ「宿(やど)」を移りながら天球を巡るという考え方に基づいています。月の公転周期が約27.3日であることから、1日に1宿ずつ通過すると考えられ、28個の星座が設定されました。
天球上で月が移動するルートに沿って配置されたこの28の星座は、各星座の基準となる星を「距星(きょせい)」と呼びます。たとえば東方青龍の筆頭・角宿(かくしゅく)の距星は「おとめ座α星(スピカ)」という、夜空でも明るく輝く1等星です。
この体系が占いに使われ始めたのは、本来は天文学的な目的、つまり月の位置から太陽の位置を推測して季節を知るためでした。それが後の時代になって吉凶判断の「暦注(れきちゅう)」として活用されるようになり、人々の日常生活の指針になっていきました。つまり科学が占いに転じた、面白い歴史があるわけです。
二十八宿を使った占いは「宿曜占星術(すくようせんせいじゅつ)」と呼ばれています。現代でも親しまれており、西洋の12星座占いのように生まれた日の宿から性格や相性も見ることができます。六曜(大安・仏滅など)より二十八宿のほうがよく当たると言っていた昔の人もいたほどで、その占術としての奥深さは特筆に値します。
また、現代のカレンダーには「二十八宿」の記載がほとんどないため、暦注の中では比較的マイナーな存在ですが、実用的な吉凶判断ツールとして再注目されています。宿曜占星術に興味がある方は、スマートフォン向けアプリで今日の宿を手軽に調べることもできます。六曜だけでなく、二十八宿も日取り選びの参考にするのがおすすめです。
参考:国立天文台 暦計算室による「二十八宿」解説ページ(暦注としての構造や歴史的経