六曜は「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」の6つの日が旧暦に基づいて機械的に繰り返されているだけの仕組みです。天体の動きや人の運命とは一切関係がなく、科学的な根拠は存在しません。
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六曜の吉凶は自然現象や統計的データに基づいて決められたものではなく、あくまでも占いの一種です。例えば「仏滅に結婚した夫婦が離婚率が高い」というデータは存在せず、むしろ大安に結婚式を挙げる人が多いため、大安カップルの離婚率の方が統計上は高くなってしまうという皮肉な現象もあります。
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明治政府は、六曜を含む暦注を迷信とみなし、公式の暦から削除しました。近代化と科学主義を進める中で、非合理的な考え方を教育や行政から遠ざけようとした歴史があります。六曜の決定方法も旧暦のローテーションによる単純な計算であり、地球や宇宙の運行とは無関係に決められています。
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六曜の起源は古代中国にあり、唐の李淳風が考案した「六壬時課」が元になっているとされています。これは時刻の吉凶を占うもので、日本に伝来したのは室町時代と考えられています。
参考)六曜 - Wikipedia
中国から伝わった当初は、現在とは名称や順序も異なっていました。広く行われるようになったのは幕末以降のことで、江戸時代から明治時代にかけて一般庶民の間で占いが流行し、暦に占いを取り入れる文化が根付きました。
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興味深いのは、六曜の発祥地である中国では、すでに使われなくなったという点です。日本独自の文化として六曜が定着し、海外では一般的に知られていません。アメリカでは六曜を意識する文化はなく、日取りを決める際に吉凶を考慮することもありません。
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六曜には「孔明六輝」と呼ばれ、諸葛亮が発案したとの俗説もありますが、三国時代から六曜があったかは疑わしく、後世のこじつけであると考えられています。
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2023年の調査では、六曜を気にする人は47.7%と約半数に達しています。「とても気にしている」と答えた人は6.8%、「やや気にしている」が40.9%でした。
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六曜を気にする人の心理には、いくつかの特徴があります。まず「古くからの習慣だから」という理由で、なんとなく大事なことは大安にしたいと思ってしまうケースが多いようです。また「周囲の年配者の影響」も大きく、周りの常識ある人たちが六曜を気にしているため、自分も気にせざるを得ないという社会的圧力が働きます。
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さらに「祝いごとは大安にしたほうが気分が良い」という心理的な安心感も重要な要因です。科学的根拠がないと理解していても、心理的な安心感を求めて六曜を参考にする人は少なくありません。
六曜の迷信が流布し続けてきた理由として、以下の特徴が挙げられます:
参考)https://www.pure.ne.jp/~jinken/keihatsu12.htm
これらの特徴により、六曜は迷信でありながらも、現代社会において一定の影響力を保ち続けています。
六曜は「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」の6つから成り立ち、それぞれに異なる意味があります。
**大安(たいあん)**は「大いに安し」という意味で、六曜の中で最も吉の日です。一日中吉で、婚礼・旅行・建築・開店・引っ越しなど、すべてのことに吉とされており、新しいことを始めるにも良い日とされています。
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**友引(ともびき)**は「友を引く」という意味から、葬儀を避ける日として有名です。慶事には良いとされ、特に結婚式の引出物やお祝いを発送する日として人気があります。
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**先勝(せんしょう)**は「先んずれば即ち勝つ」という意味で、何事も早めに行動するのが吉とされます。時間帯では午前が吉、午後が凶となります。
**先負(せんぷ)**は「先んずれば即ち負ける」という意味で、何事も急がず控えめに過ごすことが吉とされる日です。午前中は凶、午後は大吉となっています。
**仏滅(ぶつめつ)**は「仏も滅するような大凶の日」という意味で、六曜の中で最も凶の日です。ただし、実際には仏教とは何の関係もなく、迷信的な意味合いが強いです。
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**赤口(しゃっこう)**は「赤い口」と書かれ、火や血などの災いを連想させるため、基本的には凶日です。ただし、午の刻(11時~13時)のみ吉とされます。
六曜 | 読み方 | 吉凶 | 特徴的な時間帯 |
---|---|---|---|
大安 | たいあん | 最も吉 | 終日吉 |
友引 | ともびき | 吉 | 昼は凶 |
先勝 | せんしょう | 吉 | 午前吉、午後凶 |
先負 | せんぷ | 凶 | 午前凶、午後吉 |
仏滅 | ぶつめつ | 最も凶 | 終日凶 |
赤口 | しゃっこう | 凶 | 11~13時のみ吉 |
六曜を気にしないことで得られる実際的なメリットは多数あります。特に結婚式では、仏滅を選ぶことで大幅なコスト削減が可能です。
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仏滅に結婚式を挙げる最大のメリットは、結婚式費用が通常よりも割安になる可能性が高いことです。「仏滅割引」や「お日柄限定プラン」が用意されていることが多く、同じ内容の結婚式でもリーズナブルに挙げられます。
さらに、仏滅に結婚式をする意外なメリットとして以下が挙げられます:
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「仏滅」は「物滅」として、それまでの物事が滅び、新しく始まるという解釈もあるため、大安よりも結婚や引っ越しには最適の日と考えることもあります。
神社で結婚式を挙げるカップルの中には、六曜は神道とは関係がないことを理由に、仏滅を気にせず式を挙げる人もいます。実際、仏教や神道などの教えに明記されたものではないため、意味がないと考える人も増えています。
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六曜を気にしない人の意見として「毎日の星座占いみたいなものだと思っているので、気にしていません」「統計的なデータがあるわけじゃないんですよね。いわゆる迷信だなと思います」という声があります。
世界的に見れば「大安」も「仏滅」も変わらず同じ一日であり、六曜を気にしているのは日本人だけという事実を認識することで、より自由な選択ができるようになります。