午前中に調子が悪くなる症状として最も多いのが起立性調節障害です 。これは自律神経の働きが悪くなることで起立時に身体や脳への血流が低下する病気です 。具体的な症状として、朝になかなか起きることができない、朝の食欲不振、全身倦怠感、頭痛、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみなどが現れます 。
参考)起立性調節障害 OD(自律神経失調症)
症状は午前中に強く、午後からは体調が回復することが多いのが特徴的です 。夜には元気になり、逆に目がさえて眠れないこともあります 。これらの症状は日内変動があり、午後になると徐々に軽減する傾向があるため、周囲から「なまけている」「さぼっている」と誤解されることもあります 。
参考)起立性調節障害とは?症状について解説|渋谷・大手町・みなとみ…
自律神経には交感神経と副交感神経があり、朝起床時から徐々に交感神経が強くなり、昼間は交感神経優位になります 。これは活動するために必要な生理的反応です 。本来であれば、夜に活発になっていた副交感神経から昼間活発になる交感神経への切り替えがスムーズに行われるはずです 。
参考)自律神経が整う、朝昼晩おすすめルーティーン
しかし、自律神経のバランスが崩れると、起床しても交感神経が優位にならずに、いつまでも脳が覚醒せずに熟睡感がないなどの症状を起こすことがあります 。また、本来は起床時に交感神経が働いて体温を上昇させ、神経や消化器の機能を活性化させますが、それらも機能せず、倦怠感などを引き起こします 。
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微熱が午前中に現れることも自律神経失調症の症状の一つです 。自律神経の乱れは体温調節機能に影響を与え、微熱が続く、熱っぽく感じるなどの症状を引き起こします 。体温には自然な概日リズムがあり、一般的に朝は低く、夕方に向けて上昇する傾向があります 。しかし、自律神経が乱れると、この正常な体温リズムが崩れてしまいます。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7390559/
特に感染症ではない状況で微熱が続く場合、ストレスによる自律神経の乱れが原因となっていることが多く見られます 。朝の吐き気についても、自律神経の乱れが胃腸の動きに影響を及ぼすことで起こる症状です 。現代社会における過度なストレスや睡眠不足は、体内の自律神経バランスを崩してしまい、胃腸の動きに影響を及ぼします 。
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セロトニン欠乏脳になると朝すっきりと起きられなくなります 。なぜなら、朝の調子を整えるための自律神経の働きに、セロトニンが関わっているからです 。セロトニンは、副交感神経から交感神経への切り替えを円滑にするために用いられます 。そのため、セロトニン欠乏脳の状態では、うまく自律神経が切り替わらず「朝目覚めても、なんだかすっきりしない」と感じやすくなります 。
参考)セロトニン欠乏脳は自己チェック可能!確認方法や不足している場…
セロトニンが作られるのは朝から日中にかけてで、基本的に夜は作られません 。つまり、セロトニンを増やすのは朝がベストタイミングです 。朝遅く起きると、その分セロトニンを作る時間が十分ではないため、当然夜のメラトニン量も減ってしまいます 。この悪循環により、午前中の調子の悪さが慢性化してしまうのです。
参考)https://www.nishikawa1566.com/column/sleep/20210629173311/
朝起床時に副交感神経から交感神経へとスイッチが切り替わる際に、交感神経が強く働きすぎてしまい、朝の血圧が非常に高くなってしまう方がいます 。これを早朝高血圧(モーニングサージ)と呼びます 。一時的な血圧の上昇でも心臓や血管には負担となり、心筋梗塞や脳卒中が発生する時間帯が朝に多いのもこのためです 。
参考)目覚める朝と交感神経
自律神経のうち、交感神経と副交感神経は一日のうちで正反対の動きをし、朝の交感神経が急激に上昇することにより、早朝高血圧が起こることがあります 。血圧の高い人は、「朝はノンビリ」を肝に銘じることが重要です 。体内時計を元に戻す方法としては、早起きして朝日を浴びることが効果的で、朝日を浴びると体内時計がリセットされ、生活のリズムも正常に戻しやすくなります 。
参考)自律神経失調症は朝と夜が大切|名古屋市の神経内科 渡辺クリニ…