天中殺期間中に新しいことを始めると、実は成功率が通常期の約3倍になるケースが報告されています。
天中殺(てんちゅうさつ)とは、四柱推命という中国由来の占術に登場する概念で、別名「空亡(くうぼう)」とも呼ばれています。「天中殺」という言葉は、1970年代に占術家・和泉宗章氏が広めたことで日本全国に知られるようになりました。もともとは「天の中心が殺される時期」という意味合いから来ており、天の加護が届きにくい時期として解釈されています。
四柱推命では、10種類の「天干(てんかん)」と12種類の「地支(ちし)」を組み合わせて60通りの干支(かんし)が作られます。10と12の最小公倍数は60なので、60通り全部で1サイクルとなりますが、この組み合わせを作る際に必ず2つの地支が余ります。つまり原理的に組み合わせがない2つの地支、これが「空(くう)」=天中殺です。
空亡が原則です。
「天の加護がない」と聞くと非常に怖いイメージを持ちますが、実際には「現実の枠組みが外れやすい時期」とも解釈されます。普段なら通らない話が通ったり、逆に順調だったことがぐらついたりと、良くも悪くも「普通ではないこと」が起きやすい時期といえます。
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天中殺はただの「不吉な時期」ではありません。正しく理解すれば、むしろ人生の転換点を見極める羅針盤になる概念です。
天中殺には全部で6つの種類があります。それぞれ余る地支の組み合わせで呼ばれており、「子丑天中殺」「寅卯天中殺」「辰巳天中殺」「午未天中殺」「申酉天中殺」「戌亥天中殺」の6タイプです。日本人の場合、人口のおよそ6分の1、つまり約2000万人が同じ天中殺タイプに属している計算になります。
自分の天中殺のタイプは、生まれた年の干支(十干十二支)から調べます。具体的には以下のように対応しています。
| 天中殺タイプ | 生まれ年の干の例(天干) | 空白になる地支 |
|---|---|---|
| 子丑天中殺 | 甲子・乙丑など | 子・丑 |
| 寅卯天中殺 | 壬寅・癸卯など | 寅・卯 |
| 辰巳天中殺 | 庚辰・辛巳など | 辰・巳 |
| 午未天中殺 | 戊午・己未など | 午・未 |
| 申酉天中殺 | 丙申・丁酉など | 申・酉 |
| 戌亥天中殺 | 甲戌・乙亥など | 戌・亥 |
これが基本です。
ただし、四柱推命は生まれた年だけでなく、生まれた月・日・時間の4つの柱(四柱)をすべて使って詳細に鑑定します。年の干支だけで調べる方法は「簡易版」であり、より正確に知りたい場合は生年月日と出生時刻を使って鑑定するのがおすすめです。無料で計算できるWebツールも多く存在するので、まず自分のタイプを確認してみましょう。
四柱推命・干支の早見表(自分の天中殺タイプを調べる際の参考に)
タイプを知ることが第一歩です。自分の天中殺がどのタイプなのかを正確に把握してこそ、どの年・どの月が天中殺期間にあたるかを把握できます。
天中殺期間は1種類だけではありません。「年単位」「月単位」「日単位」の3つのスケールで訪れるという点は、意外と見落とされがちです。
年天中殺は、12年に1度、2年間続く最も強い天中殺です。たとえば寅卯天中殺の人にとって、「寅年」と「卯年」が年天中殺にあたります。2022年(寅年)・2023年(卯年)はまさに寅卯天中殺の人の年天中殺の時期でした。2年という期間は、東京オリンピック開催から終了までの期間とほぼ同じ長さです。それだけ長い影響が続く、という点でもっとも意識すべき天中殺です。
月天中殺は、毎年2か月間訪れます。年天中殺ほどの強さはありませんが、重要な決断が重なる時期には注意が必要です。また、年天中殺と月天中殺が重なる「ダブル天中殺」の時期はさらに影響が強まるとされており、占術師の間でも特に慎重な行動が推奨されています。
日天中殺は60日に1回、2日間訪れます。影響は比較的小さいですが、大きな契約や結婚・引越しなどの重要なイベントをこの日に重ねることは避けた方がよいとされています。
つまり天中殺には3つのスケールがあります。
これら3種類の天中殺が重なる「トリプル天中殺」は非常にまれですが、その際は人生の大きな転換点になることが多いと、多くの占術師が指摘しています。時間のスケール別に影響の大きさを理解することで、日常の中でどこまで気をつければよいかのバランスを取りやすくなります。
天中殺期間中に「やってはいけない」とされる行動には、具体的なものがいくつかあります。代表的なNG行動を整理すると、以下のような項目が挙げられます。
厳しいところですね。
一方で、天中殺期間中に「積極的に行うべきこと」もあります。内面の整理や学習・資格取得の準備、身近な人間関係の見直し、健康のための習慣づくり、そして次のステージに向けた計画立案は、天中殺中に行うと効果が大きいとされています。「まく種を選ぶ季節」として、天中殺明けに向けた仕込みの期間と捉えるのが最も建設的な見方です。
これは使えそうです。
具体的な過ごし方として、毎日10分でも日記や振り返りノートをつけることで、天中殺期間中に何が変化したかを記録しておくのがおすすめです。天中殺明けに何が変わったかを明確に把握できると、次の天中殺周期に向けた準備もしやすくなります。手帳や占い専用のノートを活用することで、運気の波をより意識的にコントロールできるでしょう。
天中殺に関しては、長年の間に様々な「都市伝説」や誤解が広まっています。正確な知識を持っておくことで、不必要な恐怖や行動の萎縮を避けられます。
誤解①:天中殺期間中は何もしてはいけない
これは最もよくある誤解です。実際には「現実社会における自分の意志でスタートさせること」を慎むのが基本であり、日常の仕事や学業を止める必要はありません。すでに動いているプロジェクトを継続することは問題ありません。止まることより、「新しく始めること」だけを慎むのが原則です。
誤解②:天中殺は誰にとっても同じ影響がある
実は、天中殺の影響の強さは人によって大きく異なります。四柱推命では命式全体のバランスを見るため、命式によっては天中殺の影響が比較的小さい人も存在します。また、前の天中殺期間をどう過ごしたかによっても、次の天中殺の影響が変わるとされています。
誤解③:天中殺中に起きたことはすべて悪い結果になる
天中殺中に出会った人・手に入れたものは「不安定になる」とされますが、すべてが悪い結果になるわけではありません。むしろ「普通の枠を超えた出来事」が起きやすい時期であるため、劇的な転機や予想外の幸運が訪れることもあります。ただしその後の定着に時間がかかる点は覚えておく必要があります。
誤解④:天中殺は日本独自の概念である
天中殺の元になった「空亡」の概念は中国の四柱推命から来ており、韓国でも「공망(コンマン)」として広く知られています。日本では和泉宗章氏によって独自に整理・普及された概念ですが、東アジア全体に共通する思想的背景を持ちます。
誤解⑤:天中殺期間は運が悪くなる一方だ
意外ですね。天中殺期間に「天中殺婚」をした有名人や著名な実業家が、その後長年にわたって安定した人生を歩んでいる事例も多く存在します。天中殺の影響は絶対的なものではなく、本人の意識・行動・心の状態によって大きく変わるというのが現代の多くの占術師の共通認識です。
これらの誤解を正確に理解しておくことで、天中殺期間を必要以上に恐れることなく、有益な準備期間として活用できるようになります。
Wikipedia:四柱推命(天中殺・空亡の歴史的背景を確認できます)
天中殺の後に訪れる「天中殺明け」こそ、最も重要なタイミングです。天中殺期間中にしっかりと準備・内省・充電を行った人ほど、天中殺明けに大きなステップアップを経験しやすいとされています。
天中殺明けを活かすための準備として、まず「天中殺期間中に芽吹いたもの」を整理することが大切です。新しいアイデア、出会った人、学んだスキル、そして自分の中で変化した価値観。これらを天中殺明けに行動として結実させることが、運気の波に乗るコツです。
結論は準備の質です。
具体的な行動として、天中殺明けの最初の1か月以内に「新しいことを1つスタートさせる」ことが推奨されています。転職・引越し・結婚・起業など、天中殺中に保留にしていた決断を、明けた直後に実行することで、エネルギーが安定した形で現実に定着しやすくなるとされています。
また、天中殺明けを意識したスケジュール管理には、占いに対応した手帳アプリや、四柱推命の鑑定機能を持つスマホアプリが便利です。自分の天中殺の時期をあらかじめカレンダーに登録しておくと、重要なイベントを天中殺明けに合わせて計画しやすくなります。アプリで調べるだけで、日々の行動計画が立てやすくなります。
さらに、天中殺明けには人間関係のリセットも有効です。天中殺中に惰性で続けていた関係や、エネルギーを奪われていたコミュニティから距離を置き、新しいつながりを育てる絶好のタイミングとなります。これは天中殺明けに限らず、四柱推命全般で「運気の切り替わりに人間関係を整理する」ことが重要とされていることと一致しています。
天中殺を「呪い」としてではなく、「人生の12年サイクルの中のリセット&充電フェーズ」として捉えることで、この時期に対する向き合い方が根本から変わります。明けた先の自分をどう描くか、それが天中殺期間の本当の活用法といえるでしょう。