凶星に「悪い影響しかない」と思っているなら、あなたは土星の恩恵を一生受け取り損なっています。
「凶星」とは、占星術において不吉な影響や悪い運気をもたらすとされる天体・星のことを指します。英語では「Malefics(マレフィック)」と呼ばれ、これは「害をもたらすもの」というラテン語が語源です。西洋占星術では10の惑星(太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星)を使用しますが、このうち吉の作用が強い惑星を「吉星(ベネフィック)」、凶の作用が強い惑星を「凶星(マレフィック)」と分類してきました。
吉星と凶星の分け方は、占術の種類によって少し異なります。西洋占星術では太陽・月・金星・木星が吉星とされ、火星・土星・天王星・海王星・冥王星が凶星に分類されます。一方、インド占星術(ジョーティシュ)では木星・金星が主要な吉星、土星・火星・ラーフ・ケートゥ・太陽が凶星とされており、西洋とは太陽の扱いが異なります。
つまり「凶星=悪い星」という単純な図式は正確ではないということですね。
占星術の権威ある辞典によれば、凶星は「悪影響を与える天体」として定義されていますが、現代の占星術師の多くは「凶星は使い方に注意が必要な星」と再解釈しています。たとえば火星は「情熱・勇気・戦い」の惑星であり、このエネルギーがなければ困難を乗り越えることも、夢を追いかけることもできません。凶星が基本です。
四柱推命においても凶星の概念は存在します。通変星(十種類の宿命星)のうち、劫財・傷官・偏官・偏印の4つが「凶星」とされていますが、これもあくまで「凶の傾向を持つ」という意味であり、命式全体の組み合わせ次第で大きく吉凶は変わります。
【コトバンク】占い用語集「凶星」の解説 — 西洋占星術における凶星(マレフィック)の定義と吉星との分類について詳しく記載されています。
凶星には複数の占術でそれぞれ異なる種類があります。占いのジャンルごとに整理すると、より理解が深まります。
🪐 西洋占星術における凶星の種類
| 惑星 | 主な意味・象徴 | 凶作用の傾向 |
|------|-------------|------------|
| 火星 ♂ | 情熱・争い・戦争 | 交通事故、人間関係のトラブル、ケガ |
| 土星 ♄ | 試練・制限・責任 | 長期的な困難、障害、遅延 |
| 天王星 ⛢ | 変革・革命・独立 | 突発的な変化、孤立 |
| 海王星 ♆ | 夢想・霊性・幻想 | 現実逃避、詐欺被害、依存 |
| 冥王星 ♇ | 破壊・再生・変容 | 強制的な変化、権力との衝突 |
火星と土星は凶星の代表格です。とりわけ土星は古代から「大凶星」として恐れられ、「すべての不幸は土星に込められている」とまで言われてきた歴史があります。
🔮 四柱推命における凶星の種類
四柱推命では、通変星という10種類の宿命星のうち以下の4つが凶星に分類されています。
- 劫財(ごうざい):財産・地位を奪う意味を持ち、経済的なトラブルや競争を招きやすい星です。
- 傷官(しょうかん):感受性が非常に強く、繊細さゆえに自分も他者も傷つけやすい側面があります。
- 偏官(へんかん):強いバイタリティと行動力を持ちつつも、頑固さや強引さとして表れることがある星です。
- 偏印(へんいん):独自のカリスマ性を持ちながら、熱しやすく冷めやすい気質で周囲に誤解されやすいです。
🌀 九星気学における凶星の概念
九星気学では惑星ではなく「方位・時期」に凶の概念が当てはまります。五黄土星(ごおうどせい)・暗剣殺(あんけんさつ)・五黄殺(ごおうさつ)・歳破(さいは)などが凶方位として知られており、これらの方位への引越しや旅行はトラブルを招くとされています。五黄土星は九星の中でも最も強力な凶星とされ、その方位は特に要注意です。
占いの種類が変わっても「凶星」の本質は共通しています。それは「注意が必要なエネルギーの塊」であり、関わり方次第で大きな力になるという点です。
【ASTRO9 アストロナイン】吉星と凶星 — インド占星術と西洋占星術における吉凶の分類の違いを詳しく比較・解説しています。
凶星の中でも特に影響力が大きいとされる火星・土星・冥王星の3つ。それぞれが与える影響は異なり、理解することでホロスコープ読みの精度が大きく変わります。
🔴 火星(マーズ)の影響
火星は「不和・争い・事故」の象徴とされ、戦争・災害・交通事故などとも結びつきます。特に火星が刺激されやすい時期には、人間関係でのトラブルやケガに注意が必要です。意外なことに、女性にとっての火星は「理想の男性像」を示す惑星でもあり、恋愛占いでも重要な天体です。火星のエネルギーを前向きに使えると、強い行動力・推進力として機能します。
🟡 土星(サターン)の影響
土星は凶星の中でも最も長期間の影響を与えます。土星の公転周期は約29〜30年で、約2.5年ごとに一つの星座に滞在します。28〜30歳ごろに訪れる「サターンリターン(土星回帰)」は、土星が出生時の位置に戻る節目で、結婚・転職・引っ越しなど人生の大きな決断が集中しやすい時期として知られています。これが基本です。
土星の試練は厳しいですが、乗り越えた先に大きな成長があるとされています。占星術師の間では「土星は最も厳しい師匠」とも称されており、その試練を通じて人生の課題を具体化してくれる惑星です。
⚫ 冥王星(プルート)の影響
冥王星は凶星の中でも「破壊と再生」を象徴するラスボス的な存在。トランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)の中でも最も強烈な作用をするとされ、その影響下では「生か死か」という極限の状況を経験することもあります。厳しいですね。
しかし冥王星の影響を受けてゼロからの再起を果たした場合、カリスマ性を持つリーダーへと成長する可能性も秘めています。芸能人や起業家など「一度大きく崩れてから飛躍した」タイプの人の多くに、冥王星の強い影響が見られると言われています。
天王星・海王星の影響
天王星は突発的な変化・孤立をもたらしがちですが、既存の枠を壊す革新力も持っています。海王星はスピリチュアルや霊感と結びつき、強く作用すると「スピ系」にハマりすぎる傾向が出やすいともされています。現実とのバランスが条件です。
【Oggi】「凶星」とは? 西洋占星術や四柱推命とともに解説! — 各凶星の具体的な作用と神話に登場する凶星まで網羅的に解説されています。
占いを長く続けている人ほど、「凶星=悪い星」という思い込みを手放しています。これは占星術の世界では半ば常識です。凶星には、正しく理解すれば運気を上げるための強力なヒントが隠されているからです。
凶星を「警告サイン」として活用する
凶星がトランジット(現在の天体の動き)で自分のホロスコープに作用している時期は、特定の分野で注意が必要なサインです。たとえば火星が自分の月と90度(スクエア)を形成している時期は、感情的なトラブルが起きやすい。この情報を事前に知っておけば、対人関係で一呼吸置く行動を取れます。これは使えそうです。
水星逆行:最も有名な「凶象」の正しい解釈
水星は西洋占星術では吉星扱いですが、「逆行」時には凶星さながらの影響が出るとされています。水星逆行は年に3〜4回、約3週間ずつ起こります。2026年は2月26日〜3月21日が1回目の水星逆行期間でした。この時期はコミュニケーションミスや機器のトラブルが起きやすいとされますが、逆に「見直し・再検討・復縁」に向いている時期でもあります。凶星の時期を「振り返りの時間」と捉えることで、メリットに転換できます。
四柱推命の凶星「傷官」を持つ人の意外な強み
四柱推命で凶星とされる傷官は、感受性が鋭く、頭脳明晰な人が多いとされています。実際、芸術家・音楽家・作家など「クリエイティブな分野で成功する人」に傷官を持つ人が多く見られます。凶星だからといって諦める必要はありません。
インド占星術における「機能的吉星」という視点
インド占星術では、生来的には凶星であっても「機能的吉星」になりうるという考え方があります。たとえば幸運を司る第9室を支配する惑星は、それが土星や火星であっても機能的には吉の作用をします。生来的な吉凶だけで判断するのは不十分なんです。
凶星の影響が気になる時期には、神社・寺院での厄除け祈願や、九星気学の吉方位取りを組み合わせるのも一つの方法です。
【占いクラウド】凶星の意味と影響を軽減する方法 — 九星気学・四柱推命・風水・占星術ごとの凶星の種類と対処法がまとめられています。
占いが好きな人の多くが「凶星の時期はひたすら耐える」というスタンスをとりがちです。しかし実は、凶星の影響が強くなる時期を事前に把握して「やること・やらないこと」を振り分けるだけで、ダメージを大幅に減らせます。これが「凶星スケジュール管理術」という独自の活用アプローチです。
土星のトランジット(約2.5年周期)でできる行動計画
土星は一つの星座に約2.5年滞在します。自分の太陽・月・ASC(アセンダント)などに土星がトランジットしている時期は、特に「試練・制限・責任」が強調されます。この期間を「無理な拡大は控え、基盤を固める時期」と意識するだけで、土星の凶作用を建設的に使えます。
たとえば転職・起業などの大きなアクションは土星トランジット終了後に計画し、在職中はスキルアップや資格取得に集中する、といった使い方です。これが原則です。
水星逆行の「3週間」を逆利用する
水星逆行中(年3〜4回、各約3週間)は新しい契約・購入・発信を避けるのが一般的なアドバイスです。しかし逆に言えば、この期間は「過去の見直し・積み残しの整理・連絡が途切れていた人への再アプローチ」に最適な時間。占い好きならカレンダーに水星逆行期間をメモして、スケジュールの棲み分けをするだけで、逆行の「凶」を最小限に抑えられます。
冥王星のトランジット:数十年に一度の「人生リセット期」を見極める
冥王星の公転周期は約248年で、一つの星座に15〜20年近く滞在します。冥王星が自分の重要な天体(太陽・月・ASC等)に重なる時期は、文字通り「人生の根底から変わる」可能性があります。この時期に無理に現状維持を続けると、消耗するだけになりやすい。意外ですね。
冥王星トランジットの時期は「手放すこと」「古いものを終わらせること」に積極的な意味があります。キャリア・人間関係・居住地の大きな変化が起きやすい時期なので、変化を「壊れている」と嘆くのではなく「再生のプロセス」と受け止める視点の転換が大切です。
サターンリターン(29歳・58歳)の活用
土星は約29.5年で黄道を一周するため、約29〜30歳ごろに「サターンリターン(土星回帰)」が起こります。この時期は「魔の29歳」として知られ、結婚・転職・引っ越しなど人生の転機が集中しやすい。2回目は58〜60歳頃に訪れます。
サターンリターンは凶星・土星による試練の時期ですが、「本当に大切なもの・本当の自分の在り方」を突きつけてくれる時期でもあります。この時期に訪れる困難は「次の30年間の基盤を作るため」の課題だと考えると、行動の指針が変わります。サターンリターン前後には、自分のホロスコープを占い師にしっかり読んでもらうことで、どの分野に集中すべきかが明確になります。
凶星スケジュール管理の実践ステップ
自分の生年月日でホロスコープを作成する(無料アプリや占いサイトで確認可能)→ 現在・今後1年のトランジットで凶星の動きをチェックする → 凶星が自分の重要な天体に影響する時期を手帳にメモする → その時期に「大きな決断・新規行動」は控え、準備・見直しに集中するという流れで、すぐに実践できます。凶星に注意すれば大丈夫です。
【星読みテラス】サターンリターン(土星回帰)とは?人生の大きな転機と課題 — 29歳・58歳に訪れる土星回帰の意味と、その時期の過ごし方について詳しく解説されています。