コア数とスレッド数の違いをわかりやすく解説

CPUスペックにある「コア数」と「スレッド数」の違い、あなたは正しく理解できていますか?パソコン選びで損しないための基礎知識から用途別の選び方まで徹底解説。どちらを優先すべきか、気になりませんか?

コア数とスレッド数の違いと正しい選び方

コア数が多ければ多いほど速い、は実は半分しか正しくありません。


🖥️ この記事の3つのポイント
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コア数とスレッド数は別モノ

コア数は「物理的な処理装置の数」、スレッド数は「同時に処理できるタスクの数」。2つは似ているようで役割が違います。

用途によって必要な数は変わる

ネット閲覧・文書作成なら4コア8スレッドで十分。動画編集やゲームには8コア以上が目安です。

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コア数だけで選ぶと損をする

スレッド数・クロック周波数・世代の3つを組み合わせて見ることが、コスパのよいパソコン選びの鍵です。


コア数とスレッド数の違いをシェフの厨房で理解する


パソコンのスペック表を見ると「8コア16スレッド」「6コア12スレッド」といった数字が並んでいます。これらが何を意味するのか、いまひとつ腑に落ちないという方は多いのではないでしょうか。


コアは「物理的な処理装置の数」です。


CPU(中央処理装置)の中に実際に組み込まれた演算回路の個数のことで、シェフに例えるなら「厨房で料理をする板前さんの人数」にあたります。板前さんが2人いれば2品同時に調理できるのと同様に、コアが2つあれば2つの命令を同時に処理できます。


一方のスレッド数とは、「同時に処理できるタスクの最大数」です。


スレッドとは英語で「より糸」を意味し、プログラムの処理の流れをひと筋の糸のように表したものです。シェフの例に戻ると、スレッドは「1人の板前さんが同時に使えるコンロの数」にあたります。1人の板前さん(1つのコア)が両手を使って2台のコンロを同時に操作できるようにしたのが、Intelでいう「ハイパースレッディング・テクノロジー」、AMDでいう「同時マルチスレッディング(SMT)」です。


つまり、コア数が原則です。


8コア16スレッドのCPUは、8人の板前さんがそれぞれ2台のコンロを同時に使える状態を指します。物理的な処理ユニット(コア)が8つあり、それぞれが最大2つのタスクを並行処理するため、Windowsからは合計16の処理ユニットとして認識されます。スレッドのことを「論理コア数」と呼ぶのはこのためです。


用語 別名 意味
コア数 物理コア数 CPU内の実際の演算装置の数
スレッド数 論理コア数 同時に処理できるタスクの最大数


物理コアと論理コア、どちらが処理性能に直結するかというと、物理コア(コア数)のほうが影響が大きいです。4コア8スレッドと8コア8スレッドを比べた場合、どちらも8スレッドの処理が可能ですが、実際の性能は8コア8スレッドのほうが高くなります。


これは基本です。


なぜなら、ハイパースレッディングによる1コア2スレッドの仕組みは、コアの「アイドル時間(手が空いている時間)」を有効利用するものだからです。同じ種類の処理を大量に行う場合は、その恩恵を活かしにくくなります。


参考:Intelによるハイパースレッディング技術の公式説明(ゲームや複数タスク処理への効果を解説)
Intel® ハイパースレッディング・テクノロジーとは?


コア数とスレッド数でパソコンの性能が変わる仕組み

コア数やスレッド数が増えると、具体的にどのような場面でメリットが生まれるのでしょうか?


コア数が多いと、マルチタスクが得意になります。


たとえば、動画を再生しながらWebブラウザで複数タブを開き、バックグラウンドでウイルス対策ソフトが動いている──という状況を想像してください。それぞれの処理が別々のコアに割り当てられるため、コア数が多いほどこうした並行作業をスムーズに行えます。逆に言えば、同時に1つの作業しかしないなら、コア数を増やしてもその恩恵は実感しにくいということです。これが条件です。


スレッド数が多いと、マルチスレッドに最適化されたソフトウェアの動作が速くなります。


動画編集ソフトや3Dレンダリングソフト、科学技術計算のアプリケーションは、処理を多数の小さなタスクに分割して並列で実行します。こういったソフトでは、スレッド数が多いほど一度に多くの処理を走らせられるため、書き出し時間の短縮などに直結します。


一方、一般的なゲームではシングルスレッド性能が重要です。意外ですね。


多くのゲームエンジンはメインの処理を1つの強力なコアに集中させる設計になっており、コア数が多くてもすべてを使いきれないケースが多くあります。そのためゲーム向けのCPU選びでは、コア数よりもクロック周波数(処理速度)の高さを重視する考え方も広まっています。


また、IntelのCPUには第12世代(Alder Lake)以降、PコアとEコアという2種類のコアが搭載されています。


- Pコア(パフォーマンスコア):高負荷なゲームや動画編集などに最適。クロック周波数が高い。


- Eコア(エフィシェンシーコア):バックグラウンド処理や軽作業向け。省電力性に優れる。


注意が必要なのは、Eコアはハイパースレッディング(マルチスレッド)に非対応であるという点です。そのため、スレッド数は単純に「コア数×2」にはなりません。例として、8Pコア+16Eコアの構成であれば、スレッド数は8×2+16×1=32スレッドとなります。


参考:CPUのコアとスレッドの関係、ジサログによる詳細解説
CPUのコア・スレッドとは?その違いや確認方法も解説|ジサログ


コア数とスレッド数だけで比較してはいけない理由

「コア数が多い=高性能なCPU」と考えて選ぶと、思わぬ出費につながることがあります。


コア数やスレッド数が多いCPUほど価格も上がります。


コンシューマー向けCPUで、4コアと16コアを比較すると価格差が数万円になるケースも珍しくありません。しかし、ネット閲覧・メール・Officeソフトの利用が中心であれば、4コア8スレッドのCPUで十分に快適に動作します。差額をメモリの増設やSSDのグレードアップに充てるほうが、体感速度の向上につながるケースもあります。


コア数が多ければいい、とは言えないわけです。


さらに、同じコア数・スレッド数でも「世代」が異なると性能に大きな差があります。たとえばCore i7という名前は2008年から存在しますが、第9世代のCore i7と第14世代のCore i7では設計がまったく異なり、後者のほうが大幅に高性能です。古い世代の多コアCPUより、最新世代の少コアCPUのほうが実際の処理速度が速いというケースも十分にあり得ます。


クロック周波数も忘れてはいけません。


クロック周波数はCPUが1秒間に処理できる命令の回数を表し、単位はGHz(ギガヘルツ)です。たとえば3GHzのCPUは、1秒間に約30億回のON/OFFの切り替えを行っています。コア数が同じなら、クロック周波数が高いほうが1コアあたりの処理速度が速くなります。


つまり、コア数・スレッド数・クロック周波数・世代の4つを組み合わせて判断することが必要です。


比較軸 注目ポイント
コア数 多いほど並列処理に強い
スレッド数 論理コア数。マルチスレッド対応ソフトで効果的
クロック周波数 1コアの処理速度。ゲームでは特に重要
世代 同ブランド名でも世代が違えば性能差は大きい


参考:ドスパラプラスによるCPUのコア数・スレッド数・クロック周波数の解説
CPUの「コア数」「クロック周波数」「スレッド数」とは?|ドスパラプラス


用途別に見るコア数とスレッド数の目安

では、自分の使い方にはどのくらいのコア数・スレッド数が必要なのでしょうか?


用途によって最適な構成は変わります。


以下は2025〜2026年時点でのおおよその目安です。実際の選択時にはベンチマークスコアも参考にしてください。


用途 推奨コア数 / スレッド数 主なCPU例
✉️ Web閲覧・文書作成・メール 4コア / 8スレッド Core i3、Ryzen 3
🖼️ 画像編集・軽い動画視聴 6コア / 12スレッド Core i5、Ryzen 5
🎮 ゲーム(FPS・MMORPG) 6〜8コア / 12〜16スレッド Core i7、Ryzen 7
🎬 動画編集(フルHD / 4K) 8コア以上 / 16スレッド以上 Core i7〜i9、Ryzen 7〜9
🔬 3Dレンダリング・AI処理 16コア以上 / 32スレッド以上 Ryzen Threadripper など


在宅ワークでZoomやTeamsを使いながらOfficeを操作する程度であれば、6コア12スレッドあれば十分です。


動画編集は特にマルチスレッド性能が重要な用途です。


たとえばAdobe PremiereやDaVinci Resolveで4K動画を書き出す場合、コア数・スレッド数が多いほどレンダリング時間が短縮されます。8コア16スレッド程度のCPUから、体感速度の向上を感じやすくなります。


一方で、FPSゲームを快適にプレイするためには、コア数の多さよりもシングルスレッド性能(高いクロック周波数)のほうが有利な場面が多いです。ゲームのフレームレートはクロック周波数に左右されやすいという点は、覚えておいて損はありません。


ベンチマーク比較ができるサイトを活用するのも1つの手です。


PassMark(パスマーク)などのベンチマークサイトでは、各CPUのスコアを無料で確認できます。候補CPUのスコアを見比べることで、コア数・スレッド数だけでは見えなかった実際の性能差を数値で把握できます。


参考:Lenovoによる用途別CPUコア数の選び方ガイド


自分のCPUのコア数とスレッド数を確認する方法

手元のパソコンのコア数・スレッド数を確認したい場合、Windowsであれば2つの手軽な方法があります。


タスクマネージャーを使うのが一番手軽です。


① タスクマネージャーで確認する方法


「Ctrl+Shift+Esc」を同時押しするとタスクマネージャーが起動します。「パフォーマンス」タブをクリックし、左メニューから「CPU」を選択してください。右下のあたりに「コア」と「論理プロセッサ(スレッド数)」が表示されています。


② システム情報で確認する方法


検索バーに「システム情報」と入力して開くと、「プロセッサ」欄に「○個のコア、○個のロジカルプロセッサ」と表示されています。たとえば「2個のコア、4個のロジカルプロセッサ」と書かれていれば、2コア4スレッドのCPUです。


③ PowerShellを使う方法


検索バーに「Windows PowerShell」と入力して開き、以下のコマンドを入力してEnterキーを押すとコア数とスレッド数が表示されます。


```
WMIC CPU Get NumberOfCores,NumberOfLogicalProcessors
```


Macの場合は、画面左上のリンゴマークから「このMacについて」→「システムレポート」を開くと詳細が確認できます。


自分のCPU名が確認できたら、Intelの公式サイトやAMDの公式サイトにある「製品仕様」ページでさらに詳しいスペックを調べることができます。IntelのCPUの場合は「インテル® ハイパースレッディング・テクノロジー:Yes」の表示があれば1コアあたり2スレッドに対応していることがわかります。これは必須の確認事項です。


なお、パソコン購入前に複数候補のCPUを比較したい場合は、価格.comやドスパラプラスのCPU性能比較表を活用するのが便利です。コア数・スレッド数・クロック周波数・ベンチマークスコアをまとめて確認できるので、選定の時間を大幅に節約できます。


参考:価格.comのCPU選び方ガイド(コア数・スレッド数の見方を解説)
失敗しない!CPUの選び方|価格.com




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