「60歳厄年」と検索する人がまず知っておきたいのは、一般的な厄年の基準では、60歳そのものが本厄ではなく、数え年61歳の本厄に入る前の「前厄」とされるケースが多いことです。厄年は原則として満年齢ではなく、昔からの年齢の数え方である数え年を基準に考えます。数え年では、生まれた時点を1歳とし、その後は元日を迎えるごとに1歳年を重ねます。
たとえば2026年であれば、1967年(昭和42年)生まれの人は数え年60歳で前厄、1966年(昭和41年)生まれの人は数え年61歳で本厄、1965年(昭和40年)生まれの人は数え年62歳で後厄に該当します。神社本庁は、地域差があることを前提に、男性の厄年を数え年25歳・42歳・61歳、女性を19歳・33歳・37歳・61歳と案内しており、60歳から62歳までを意識する人が多い理由もここにあります。
参考)厄祓い(男性・女性の厄年、本厄等)
つまり、満60歳を迎えた年に「自分は厄年なのだろうか」と感じた場合、誕生日だけで判断せず、今年の西暦から生年を引き、さらに1を加える数え年で確かめることが大切です。ただし、地域や神社・寺院ごとに年齢表記、受付基準、女性の61歳厄年の扱いなどに違いがあります。厄払いを希望する場合は、参拝先の公式サイトまたは社務所で確認すると安心です。
神社本庁:厄祓い(男性・女性の厄年、本厄等)
60歳厄年を理解するには、前厄・本厄・後厄を単年で切り離さず、3年間の流れとして捉えると分かりやすくなります。前厄は変化の兆しを感じやすい準備期間、本厄はとくに慎重さを意識したい中心の年、後厄は生活のリズムを整えながら次の段階へ移る期間として考えられます。60代に入る時期は、定年・再雇用・独立・親の介護・子どもの独立・夫婦の暮らし方の変化など、現実の節目が重なりやすい年代でもあります。
| 区分 | 数え年の目安 | 2026年の生まれ年目安 |
|---|---|---|
| 前厄 | 60歳 | 1967年(昭和42年)生まれ |
| 本厄 | 61歳 | 1966年(昭和41年)生まれ |
| 後厄 | 62歳 | 1965年(昭和40年)生まれ |
| 対象の考え方 | 男女ともに61歳を厄年とする案内が多い | 地域・神社・寺院の慣習により差がある |
2026年の厄年表でも、多くの神社が60歳・61歳・62歳をそれぞれ前厄・本厄・後厄として掲載しています。東京都神社庁も、男女ともに数え年61歳を厄年として示し、60歳を前厄、62歳を後厄と案内しています。 ただし「満60歳の還暦祝い」と「数え年61歳の厄年」は、日常会話では同じ頃の行事として語られやすいため、混同しないよう注意しましょう。
参考)人生のまつり(5) – 東京都神社庁
自分の年齢を調べるときは、「今年の西暦−生まれた西暦+1」という式を使います。たとえば1966年生まれなら、2026−1966+1=61となり、2026年は数え年61歳です。生年月日が年の早い時期か遅い時期かにかかわらず、一般的な数え年では元日に年齢が上がるため、満年齢の感覚とはずれることがあります。
還暦は、十干十二支の組み合わせが一巡し、生まれた年の干支に戻る節目です。「暦が還る」という言葉どおり、人生を一度巡らせて新しい周期へ入るという象徴性を持ちます。数え年61歳の厄年と還暦が重なるため、昔からこの時期を「終わり」ではなく、役割や生き方を更新する転機として意識する人が少なくありません。
占いの見方では、60歳前後は、外側の評価や社会的な肩書きだけに頼らず、自分が本当に大切にしたいものを選び直すタイミングと解釈できます。これまでの経験、人間関係、仕事の知恵を整理し、無理を続けてきた部分を手放していく時期です。厄年だから大きな悪い出来事が必ず起きるという意味ではなく、変化を急ぎすぎず、心身の小さなサインを見逃さないようにという生活の知恵として受け取るとよいでしょう。
赤いちゃんちゃんこや赤い小物が還暦祝いに用いられるのも、赤子に還る、新しく生まれ直すという考え方と結び付けて語られます。赤を身につけるかどうかは好みで決めて構いませんが、還暦の記念品を選ぶ行為そのものを、「これからの自分をどう大切にするか」を考える儀式にしてみるのもおすすめです。時計、財布、名刺入れ、趣味の道具、旅行など、未来の時間を明るく想像できるものを選ぶと前向きな節目になります。
厄払いを受ける時期に、全国共通で絶対に守るべき一日はありません。多くの人は年始から節分頃までに神社や寺院へ参拝しますが、仕事や家庭の予定、体調の都合に合わせて受けても問題ありません。年の途中で「気持ちを切り替えたい」「家庭や仕事の変化が不安」「還暦を機に区切りをつけたい」と感じたときに受ける人もいます。
厄払いと厄除けは、案内する寺社によって表現が異なります。神社では祈祷を受けて厄を祓い清める「厄祓い」、寺院では仏の加護を願う「厄除け」と案内されることがあります。ただし名称だけで効果の優劣を決める必要はありません。自宅から通いやすい場所、氏神様、昔から縁のある寺社、雰囲気が落ち着く場所などを基準に選び、公式情報で祈祷の受付時間、予約の要否、初穂料・祈祷料、服装を確認しましょう。
参拝当日は、派手すぎない清潔な服装を意識すれば十分です。正式祈祷を受けるなら、神前や仏前に進む場にふさわしい身なりとして、サンダル、極端に露出の多い服、強い香りなどは避けると安心です。祈祷後に授かったお札やお守りは、目につきやすく清潔な場所に大切に祀る、または持ち歩くなど、授与所での案内に沿って扱います。
東京都神社庁:人生のまつり(厄年)
60歳厄年に必要なのは、何かを過度に恐れて行動を止めることではありません。むしろ、事故や病気、金銭トラブル、人間関係の行き違いを避けるために、普段なら後回しにしがちな確認を丁寧に行うことです。厄年には科学的に災難が増える根拠があるわけではありませんが、人生の転換点では環境や身体の変化が表れやすく、昔の人が慎みを促してきた背景には実生活に根ざした感覚があります。
参考)2026年(令和8年)厄年年齢早見表|本厄の過ごし方と厄払い…
特に60代は、「まだできる」と「無理をしない」のバランスが重要です。急な投資話や契約、リフォーム、転職、退職後の大きな支出などは、その場で即決せず、家族や信頼できる第三者に相談する時間を設けましょう。健康面でも、睡眠不足を放置しない、定期検診を先延ばしにしない、運動を急に頑張りすぎないといった、地味でも継続しやすい行動が安心につながります。
また、厄払いを受けた後に「これで何もしなくてよい」と考えるのではなく、日常を整えるきっかけにすることが大切です。朝に神棚や仏壇へ手を合わせる、散歩で季節を感じる、感謝を言葉にする、部屋を片付ける、連絡が途絶えていた友人に近況を伝えるなど、小さな行動でも心の流れは変わります。60歳の前厄、61歳の本厄、62歳の後厄という3年間を、自分と家族のこれからを整える期間と考えれば、厄年は不安を増やす言葉ではなく、新しい人生の土台をつくるための道しるべになるでしょう。